Tokyo Cantat 2011、その3。

一昨日(5/1)になりますが、Tokyo Cantat 2011の一環として行なわれたコンサート=シリーズⅡ「日本の音素材による合唱」『間宮芳生の仕事』、に出演しました。簡単に報告を。

私が歌ったのは既に下のエントリに書きました2曲です。まずは1曲目。全体の中では3曲目に当たる『合唱のためのコンポジション 第14番 男声合唱のための』から。

事前の練習回数がとても少なくて、さりとてそんなに長いわけでもないしこんなもんかな、とも思っていたのですが、前日の公開リハ、そして当日の直前リハを経て、「うーん、これはまずいぞ、というか絶望的かも...」という気分に陥ってました。ハモるべきところがハモらない、ミストーン多し、飛び出しや落っこちもなくならない、ダイナミクスも全然出てない、という最悪な状況。

しかし、男声合唱の面白さはやはりそこから。4時間ほど(私は『変幻』リハがあったので3時間くらい)の休憩を経て臨んだ本番は、中にいても普通にちゃんとした演奏、だと分かるものでした。というか、こういう風に出来るのなら練習の時からやって欲しい、ですね(笑)。まあ、色々と事故もありましたけれど、個人的にはかなり満足。後で様々な人から意見を貰いましたが、かなり高い評価を頂きました。これが、男声合唱というものの醍醐味ですね(笑)。

続く2曲目は、上の曲が終わってとっとと着替えてから約30分ほどのインターバルを経て臨んだ『合唱のためのコンポジション 第9番 変幻 混声合唱・オルガン・2台のハープ・2コントラバスと打楽器のための』です。

練習にはかなりの時間をかけてきました。スタートは11月位だったんじゃないかと思います。本格的には正月からですが。とてつもなく難しい曲で、音程指定のないところはどう歌ったらよいのか最後まで悩みましたし、音程のあるところは殆ど調性なんてありませんし参照できる音も全然鳴ってませんから練習時には終始音叉を握りしめてました。最終的には使いませんでしたけれど。

そうですねぇ、この曲、そもそもどう向き合えば良いのか、その辺からして非常に難しい曲ではなかったかな、と思います。例えば、普通の曲なら練習すればするほど、リハーサルを重ねれば重ねるほど上手くはなっていくもの、だとは思うのですが、今回はそれを全く実感出来ない。聴く側に立っても、どう聴いたら良いのか、どう評価して良いのか非常に悩むのではないか。

演奏が困難な曲、というのは今までにもたくさん扱ってきたわけですが、上に書いたような意味で悩んだりはしなかったように思います。それほどに重く、様々なことを考えさせてくれる曲でした。このような機会を得られたことには感謝の意を表したいと思います。

以上、自分の歌った2曲に関して、でした。

ちなみに、『変幻』終了後は、3曲(と言いますか、3ステージ)を会場で聴くことが出来ました(『コンポジ#15』、『日本民謡集』より、『コンポジ#5』)。出演者の皆様、素晴らしい演奏を聴かせて頂きまして、本当にありがとうございました。

と、云う事で。