お江戸コラリアーず第11回演奏会、と。

先週の日曜日(8/12)になりますが、珍しく午後の練習が無かったので(8月だから?)、文京シビック大ホールで行なわれておりました、お江戸コラリアーずの第11回演奏会「お江戸の新世界」を聞いて参りました。簡単に感想などを記したいと思います。以下、基本的に敬称略です。

まあ、暑い中大変、だったと思います。なんか色々ありましたね~。それはさておいて、と。

第1ステージはドイツ・ロマン派特集。難易度的には一番大変なステージだったのではないかと思います。F.メンデルスゾーン、M.レーガー、R.シュトラウス、R.シューマンといったラインナップで計5曲。80人くらいの大所帯ですので、ロマン派曲らしいうねるような感じもところどころに出ていたように思いました。ただ、個人的な感想としては、ドイツ語のニュアンスや和声の微妙な変化などをうまく吟味・咀嚼しつつ、音色や響きのレヴェルでもっと多彩かつ的確な表情付けがあっても良かったかな、と思います。実現するのは大変難しいんですけどね。

第2ステージは信長貴富の新しい曲『じゆびれえしよん』。詩は山村暮鳥によります。男性合唱曲に新たなヘヴィ・ローテーションなレパートリが加わった、という感じでしょうか。これは今後頻繁に演奏されそうですね。暮鳥がクリスチャンだったこともあり、詩には勿論、音楽にもかなり宗教曲的な色彩が加わっています。決して平易なものではない言葉のニュアンスをうまくとらえ表現した、端正でみずみずしい、そしてまたしっかりした演奏だと思いました。

第3ステージはシー・シャンティ集6曲。海の労働歌、ということになりますでしょうか。男声合唱では結構良く歌われるものです。スタートでちょっとトラブルがありましたが、力強い、迫力のあるステージだったと思います。文京シビックは音響的には割とデッドだと思うのですが、この種の曲にはこういうホールの方が向いてますね。

第4ステージはこの日の目玉ということになるのであろう、三善晃『遊星ひとつ』の全曲演奏。4曲からなる組曲ですが、連弾ピアノを必要とします。で、1、3がアカペラで、2、4がピアノ付き、というあたりにもこの曲の難しさがありますね。歌ったことないですけど(笑)。有名な曲ではありますが、技術的にも体力的にも、あるいはまた音楽的な深さという点でも演奏するのはかなり困難なはずのこの曲を、そつなくキチッと仕上げてくる辺りはさすがといったところでしょうか。ついでに書いておきますと、この中の2曲を全日本合唱コンクールで演奏する模様です。更に磨きをかけていって下さい。

アンコールは松下耕の新曲と「斉太郎節」の新しいアレンジ、でした。後者はホントに良かったです。これが、私が選ぶこの日のベスト・アクト、でした。最初からこんな感じだと良かったかな、などとちょっと思ったり(笑)。

と、云う事で。