9もんめ終わる、と。

すでに一昨日になっていますが、震災から数えて2年となる3/11(月)、初台の東京オペラシティ コンサートホール タケミツメモリアルで行なわれていた、栗友会によるコンサート『9もんめ』に出演致しました。簡単に報告などを(以下敬称略)。

私の出番は最後の2曲、西村朗による無伴奏混声合唱曲『うめきうたみっつ』と、池辺晋一郎によるオルガン付混声合唱曲『人々は持つだろう』、でした。佐々木幹郎による何ともすさまじい詩を素材にした西村朗にしか造り得ない難曲と、暖かさにあふれた今後幾度もアンコールピースのような形で再演されるであろう曲という組み合わせ、になりますでしょうか。時間にすれば短いステージでしたが、非常に濃密なものだったと思います。いかがでしたでしょうか。

そうですね。今回はそもそも演奏会自体に参加できるのだろうかというような状況に追い込まれていましたが、そこは気合とか根性といったものではなくて、むしろ色々な方々のご協力によってかろうじて乗り切った、というところです。可能性として、寺嶋陸也の楽曲による男声合唱ステージという極めて魅力的なものもあったのですが、こちらについては残念ながらはなから参加不可能、でございました。

ところで、演奏会の直前には数回にわたって全曲を通しましたので、私が歌わない他の楽曲群にも親しみが持てたといいますか、本当に大変な力作ばかりでして、そういうものを歌えて本当に羨ましいな、などと思いつつ数日間を過ごしました。9人の作曲家たちによる、渾身の力作群の誕生に立ち会えたことを、幸いに思います。いつか他の曲たちも歌ってみたい、そんなことを考えました。

最後になりますが、あのような災害に対して、いったい何ができるのか、という問いかけを自分自身にしたとき、私個人としては、結局のところできることをする、というのが最善なのだと思っています。今の私にできることは非常に限られています。時間的にも、空間的にもそれはとても限られている、というのが現状です。そんな中で、決して無理することなく、さりとて決して妥協することもなく、できうる最大限のことはできたのではないか、と思っています。

と、云う事で。