ウィーン国立歌劇場『フィガロの結婚』

上野の東京文化会館で、ウィーン国立歌劇場による『フィガロの結婚』(2025/10/09 18:00~21:30位)を観てきました。以下、芸術は主観的なものなのであくまでも個人的な見解であり、さらには値段に見合うかという観点も加味しつつ、メモを残しておきます

まあまあ良かったのは、代役の伯爵、スザンナ。特に後者。この公演、正直なところ代役2名が支えていた感はあります。ただ、この高額チケット公演に見合うほどの華はないと思いました。

さて、これで終わりにしても良いのですが、やっぱり色々あるんです...。ここから、やや残念に思ったところをいくつか書いておきます。

・フィガロ役。声が小さいですね。ソロで歌うところは良いのですが、重唱になると全く聞こえない。一応タイトル・ロールなので、これ、かなり致命的。
・演出や舞台構成の中途半端さが気になりました。1幕と4幕がいかにも現代演出っぽい舞台構成で、2幕と3幕が割と普通。どっちかに統一した方が良かったのではないでしょうか。
・1幕と4幕で、前者は掃除道具、後者は出入りする蓋みたいなので大きな音を立てるんですが、はっきり言って耳障りでした。
・バジーリオとマルチェッリーナのアリアをカットしたのは非常に残念でした。どちらも確かに難しいんですが、このくらいプロなら歌えるだろう、と思います。歌い手というより尺の関係なのかな。全体にテンポもう少し速めで良かったのかも。このカット含め、4幕は改編に近いんですけど、こういうのはいかがなものかと。
・バルトロ役は人選を誤ったかも。端役(でもない気も。)だけどソロあるんですよね(全然聴こえなかった。歌ってたのか?)。話の起点ではあるのでカットできないんですが。

やはり、普通に、美術とか衣装の点で、これぞウィーン国立歌劇場、という感じの舞台が観たかったな、というのが一番大きいです。このオペラで現代演出ってどうなんでしょう。完全に18世紀の話なので。時代の潮流?でも、ニトリで買えそうな調度品類とか、ユニクロとZARAとH&Mで揃えられるような衣装は個人的にはちょっといただけません。(ニトリやユニクロその他は素晴らしいんですが、それとは別の話。)

まあ、金返せ、とまでは言いませんが。チケット高かったぞ(笑)。

なお、オケのチューニングが面白くて、開演前の影アナ中に楽団員はほぼ全員着席してガンガン音を鳴らしてまして(影アナまったく聞こえん...。)、Aの音その他が聞こえてたんでこの辺で各自やってたっぽいです。オーボエ⇒コンマス⇒その他のルーティンは5秒位で終わったかも。この辺一瞬すぎて良く分からなかった(笑)。さらに、休憩後は何もやりませんでしたね。さすがというかなんというか(笑)。

と、云う事で。