Riversの本

前々から医療人類学にも手を染めている関係上買ってあったW.H.R.Riversの古典的名著Medicine, Magic and Religion(1924→2001,Routeledge:London 邦訳はあるのか?)をだらだらと時間をかけて読んでいました。1915-6年に行なわれた講演を基にしているので、中身はあくまで概論であるわけですが、それこそ医療と呪術や宗教の間にある複雑な関係、というかそれぞれの相互浸透性みたいなものを、何とか明らかにしたい、という熱意が伝わってくる大変優れた本だと思います。中でも、心理的ないし社会的な疾病に対しては、近代医療が一般化した現代社会においても呪術や宗教が一定の役割を果たし得る余地がある、という指摘は重要です。と言うのも、今日の呪術やシャマニズム研究その他も、基本的にはこの見解を支持しているからです。

と、云う事で。