白山人類学研究会からのお知らせ

白山人類学研究会からのお知らせが届いています。是非ご参加下さい。まあ、月曜の18時って、社会人だとどう考えても参加できないと思うんですけれど...。取り敢えず、以下引用です。

白山人類学研究会関係各位

4月定例研究会のお知らせです。
本年度も原則第3月曜日の18時10分より東洋大学白山校舎で行ないますので、ご参加いただければ幸いです。


●白山人類学研究会 4月例会

日時:4月20日(月)18時10分より
場所:東洋大学白山校舎5401教室
(地下鉄東京メトロ本駒込駅、または都営地下鉄白山駅)

●研究会次第:
1. 2008年度会計報告
2. 発表
3. 研究会後、近隣で懇親会を開催いたします。ご都合の付く方はぜひご出席ください。


●発表題目:『フィリピンの首都マニラにおけるムスリム・コミュニティの社会形成と変容』

●発表者:渡邉暁子(東洋大学社会学部社会文化システム学科・助教) 

●要旨:フィリピンは東南アジアで唯一のキリスト教国家である。そのなかで南部フィリピンに居住するムスリムは、1960年代末より武力を伴った分離独立運動を展開してきた。このため、従来のフィリピン・ムスリム研究の多くは、中央政府と対立する南部イスラーム勢力をめぐる諸問題を主題としてきた。しかしながら、戦禍を逃れ、国内外での経済的向上を求めてマニラに移動したムスリムは現在12万人を超え、もはや特定の領域内でその社会を捉えることが困難になっている。首都において政治的、経済的に重要な位置を占めるようなったムスリムに対し、その社会に関する研究は端緒についたばかりである。
 本報告ではこうした研究動向をうけて、マニラのムスリム・コミュニティを対象とし、国家のマイノリティとしてのムスリムの社会文化面での動態を理解することを試みる。具体的には、グローバルなムスリム・ネットワークとムスリム・コミュニティ形成との関連、ムスリムとキリスト教徒との日常的な交渉や関係、都市マイノリティとしてのムスリムの自己表象の戦略といったものを、フィリピン国家をとりまくマクロな社会経済状況の変化との相互作用のなかで、ムスリム・コミュニティの社会形成過程に位置づけ、考察していく。
 マニラは、国内のキリスト教社会の中核であり、海外とフィリピン各地とを結ぶ中継地となっている。こうしたなか、こんにちマニラのムスリム社会では、伝統的規範を保守しようとする人びと、それらを相対化して距離をおこうとする人びと、イスラームに偏重する人びとといった多様な価値が並存する状況が生まれており、本報告ではそれらの要因を解明することをめざす。

と、云う事で。