アラカルトコンサート2009@代々木。

立秋を過ぎて二日ほどが経ちました。さほど暑くはないですが、残暑お見舞い申し上げます。

本日はそんな中、代々木まで音楽鑑賞などをしに出向いてました。しかし、代々木公園は相変わらずカラス多いな...。それはおきまして、と。以下、おおざっぱに感想など。長いですが...。

1.G.P.パレストリーナ Missa Brevis:混声合唱団RARA KORUSO
 言わずと知れた名曲です。いずれはどこかでやりたいですね。4声の曲ですが、S3、A5、T1、B2になるのでしょうか。かなり厳しいパート・バランスです。パート・バランスもなのですが、ルネサンス期のポリフォニィなのですから、パート内やパート間での声や歌い方の統一ももっともっと必要だと思いました。少人数だとその辺がかなりバレバレになります。でも、実のところ統一を図るのは人数が少ないほど楽なはず。他にコトバの処理やピッチの問題などもありまして、全体として、やや課題が多い内容でした。取り敢えず若い合唱団なので、出来れば暗譜で!それだけで飛躍的に音が変わると思います。

2.多田武彦 男声合唱組曲 雪と花火:町田男声合唱団 マルベリー
 これも名曲。結構大所帯な同団は今年で結成20年なのだそうですけれど、ベテラン達がおそらくは自分たちの大好きな曲を一つ一つのコトバを噛み締めつつしっかりと歌い上げる(詩は北原白秋)、という姿が印象的でした。

3.間宮芳生 ピアノのための6つの前奏曲 より3曲:中村美枝子
 極めて面白い曲です。間宮さんは本当に奥が深い。、この曲でもその幾多の作品同様、ヨーロッパの近現代以降の音楽技法をしっかりと踏まえつつ、それを発展させ、さらにはまた土俗的・土着的なモティーフをふんだんに交える、ということが行なわれています。思わず楽譜が欲しくなったのですが、これ、1998年に全音から刊行されてますね。でも現在絶版の模様。こういう曲が埋もれていくのはまずいと思うのですが、そんな状況の中、本日の演奏会に敢えてこの難曲を選んだ中村さんに拍手を贈りたいと思います。

4.様々な曲:ソプラノ・杉山由美子 ピアノ・澤潟雅子
 スペイン語曲、イタリア語曲、日本語曲(といっても『メリー・ウィドウ』からですが。)の3曲でした。映画音楽あり、オペレッタあり。さすがに訓練されたお声で、伴奏との息も完璧。MCや演出も素晴らしく、とても楽しいステージでした。

5.様々な日本語曲:男性カルテット ベリーズ・フォー
 『日本の歌』から2曲、その他2曲です。2.の男声合唱団の4名からなるアンサンブルなのですが、非常に表情豊かな演奏をしておられました。なんか、日本語の曲って良いですねぇ。

6.世界歌巡り:マルベリー
 2.の合唱団による、合唱曲世界一周です。ここまで来ると、既に約2時間を経過しておりまして、私自身がちょっと疲れ気味でした。感想も疲れ気味...。

最後になりますが、全体としましては、大変楽しませて頂きました。ありがとうございます。ただ、ちょっと気になったのは、指揮ではなく、ましてや客席でもなく、楽譜から全く視線を動かさずに歌っている方がかなりいた点。これだと必然的にテンポ感も悪くなりますし、アンサンブルとしての一体感も損なわれる訳です。実のところ、音楽に真摯に取り組めば曲は自然と頭に入るはずなので、譜面は特にいらなくなるんじゃないかと思ったりもするのですが、いかがでしょうか。オケとの競演などではちょっと違いますけどね。

と、云う事で。