Vocal Ensemble 《EST》 19th Concert、と。

去る11月6日(日)、三重県の文化会館大ホールで行なわれておりました、Vocal Ensemble 《EST》の第19回定期演奏会を聴いて参りました。題して、「繋がる絆 ~震災復興への祈り~」、です。

プログラムをみますと、私がいたころから比べてかなりメンバが変わっていることが分かりますが、端的にテナー増えすぎじゃない、とか思ってしまいました。一体何が起こったんだ(笑)。

それは兎も角、簡単に感想などを。

全体は5部構成です。最初は「人類の祈り」。宗教曲3曲ですね。まずはジョスカン・デ・プレのミサ曲から"Gloria"。男声のみ。これがひどかった(笑)。完全な失敗演奏でした。良いとこなし(笑)。気を取り直してコンクールでやるのだろうJ.ファートの"O quam gloriosum"へと。これはさすがに安定感のある演奏。そして次。女声による鈴木輝昭"Ave Maria"。素晴らしかったですね。前にもやった曲ですが、見事な演奏でした。

第2ステージは「岩手から」。曲は鈴木輝昭の『混声合唱のための組曲 原体剣舞蓮』。かねてからレコーディング作業を行なっていたものですね。宮沢賢治の長い詞章は覚えるのが困難だったようで、大部分が譜持ち。これ、ESTの演奏会ではかなり珍しいことです。私は初めて見ました。逆に言いますと、演奏は非常安定していて、言葉も良く分かりますし、アラもすくなかったように思いました。個人的にはこれがこの日のベストステージ。

第3ステージは「To Hope」。E.ウィテカー特集です。6月の北とぴあで演奏したものに、Animal Crackers vol.2からの3曲が加わりました。基本的にはコンクールで演奏されるもの、となります。さすがにこの辺はお家芸。ただ、"Animal"の寸劇でDちゃんが目立ち過ぎなのはどうなのだろうか、と。コンクールのDVDに残っちゃったりするんですよね、これ。金賞とったらだけど。

第4ステージは「鳥取から」。松下耕の『混声合唱のためのコンポジション 日本の民謡 第7集』、です。鳥取民謡をモティーフとした結構大変な曲。いつになく組曲を全曲きちんとやるポリシィに変化を感じつつ、輝昭曲に挟まれると何となく簡単そうに聞こえてしまうという恐るべき現実を直視しつつ、聞き終えました。安定した演奏ではありましたが、実はこの辺りからそろそろ疲れが感じられ始めました。ついでに言いますと、もう1割か2割、松下氏の合唱団が持っているようなエネルギッシュなところがあっても良いんじゃないかな、と思いました。

第5ステージは「宮城から」。鈴木輝昭氏の故郷ですね。曲は『無伴奏混声合唱のための 斉太郎節考』。タイトルはもうちょい長いんですが割愛。大変そうに演奏されてましたが、実際大変な曲、というよりはそもそも演奏会の構成に無理があったんじゃないかと思いました。第4ステージまでで限界だったんじゃないかな~、などと。この分量だとほぼ暗譜無理だし、集中力も切れてくるし、声も持たないでしょう。良いコンディションで是非再演を、と思いました。

その後アンコールやロビーでの演奏などもありまして、終了。打ち上げが津駅近くのホテルで行なわれまして、これに参加しました。取り敢えず来年7月の渡仏には基本的に同行することを宣言してきましたが、結構キッツイですね。善処します。

と、云う事で。