四人組とその仲間たち 室内楽コンサート、と。

去る12月2日(金)、津田ホールで行なわれていた全音現代音楽シリーズ・その18『四人組とその仲間たち 室内楽コンサート 現代日本の作曲家《木管と樹齢》』を聴いて参りました。以下、簡単に報告などを。

四人組とは、池辺晋一郎、新実徳英、西村朗、金子仁美のことを指します。今回はこの方たちに若手作曲家である鶴見幸代さんの曲を加えての全5曲からなる演奏会となりました。ちなみに、全ての曲が初演、でした。

全曲、非常に編成の小さな楽曲群です。最初の鶴見作品《デプスレス》は音高の違うサキソフォン3名によるアンサンブル。ミニマリズム、ということになるのでしょう。3人が奏でる単純な音型が少しずつずれていって、ぶつかり合ったり離れていったりを繰り返します。面白いですね。

2曲目は金子さんの《時の層 IV ~透過・合成~》。今度はオーボエとクラリネットによるデュエット。この日の作品の中では最も難解、ではなかったでしょうか。短かく、たかだか2声部の曲ですが、中身は非常に濃いように思いました。

3曲目は新実さんの《サクソフォン・スパイラル》。2本のアルト・サックスのために書かれた曲で、2部構成。IがImpulse、IIがagonyと題されています。ここで著名なサックス奏者須川展也さんが登場。もう一人のサックス奏者新井靖志さんとともに、見事な演奏を繰り広げていました。

4曲目は西村さんの《水の影》。須川さんのアルト・サックス・ソロです。非常に素晴らしい。ちょっと背筋がゾクゾクしましたね。きっと技術的にはとんでもなく大変なんだろうけれど、すっと懐に落ちる演奏でした。取り敢えず個人的にはこの日のベスト・ステージです。

5曲目は池辺さんの《バイヴァランス VII》。これもサックス2名によるデュエット曲。再び須川さんと新井さんです。ここまでがここまでですので、非常に分かりやすい曲調に感じられてしまいました。良い曲、という印象でした。

そんなところです。この日から数日にわたって現代音楽を聴きまくるわけですが、以上、その第1夜の報告でした。

と、云う事で。