スウェーデン放送合唱団東京公演、と。

去る6月19日(火)、台風接近による交通麻痺が懸念される中、初台の東京オペラシティ・コンサートホール:タケミツメモリアルで行なわれておりました、スウェーデン放送合唱団の公演を聴いて参りました。

台風はまあ仕方ないんですが、19時開演なので頭の方は聴けません。勿体なかったんですが、やむを得ません。

そんなわけで、前半の終わり2曲を聴いて、休憩入りです。スウェーデンのH.アルヴェーン「そして乙女は輪になって踊る」、同じくスウェーデンのJ.サンドストレムの「山嵐の夜」の2曲。前者はいかにもな感じの可愛い民謡調の楽曲。そして後者はサーミ語によるヨーイクを基調とした曲。まさに嵐の夜でしたが。聴けなかった曲の中にフィンランドの作曲家J.マントュヤルヴィの『天体の組曲』というのが入ってたんですが、この人もヨーイクを大々的に扱ってますね。日本だと間宮芳生。そうですね。このサンドストレムの曲、凄く間宮っぽかったです。

休憩を挟んで後半はメイン・ディッシュな感じのS.ラフマニノフ『晩祷』から前半の9曲を。

何だか凄まじい演奏でした。鳥肌もの、と言いますか。重厚かつ、壮麗。合唱団は33人(8、8、8、9)という布陣でしたが、いやー、あのそれなりに広い会場が鳴り響く感じ。さりとて、ppも極めて美しい。極めつけは低音部を歌う方々で、下の方のBを余裕で響かせてる感じでした。素晴らしいです。

ロシア革命以来長きにわたって封印されていたこの曲、再度日の目を見てから40年ほどが経過しておりますが、いよいよ輝きを増してきているといいますか。教会スラブ語で歌われるロマン派宗教曲の中でも傑出した曲の一つだと思います。歌ってみたいけれど、長3度は上げないと無理でしょう(笑)。

アンコールはホールに合わせて、ということもあるのでしょう武満の「さくら」その他。美しかったですね。来月フランスでJ.ラスィーヌの詩によるG.フォーレの曲をやるわけですが、果たして我々はどこまで作品の真髄に迫れるんだろう、などと思ってしまいます。彼等がそうであるように、兎に角真摯に取り組むの他はありません。

最後になりますが、合唱みたいなことをやっていると、やっぱりドイツを含む北欧的な音というのは本当に魅力的に感じられてしまうんですが、一体どうやったら出せるのかな、ということを常々考えてしまいます。どうやったら出るんでしょうね(笑)。これまた日々精進するしかないかな、と。

そんなことを考えながら、吹きすさぶ風の中帰途についたのでした。

と、云う事で。