獅子舞@伊奈冨神社。

shishimai_inou_20090416_01.jpg昨日になりますが、鈴鹿市稲生(いのう)にある伊奈冨(いのう)神社で、3年に一度奉納される4体の獅子頭を用いた獅子舞奉納を見て参りました。動画を撮っていたので静止画はおろそかになってますが、その中の1枚です。なお、画面左側の樹木は既に葉桜となっている桜でございます(さりげなく「桜便り2009その10」、と)。

ところで、私は肥田町の獅子舞を旧玉垣村のものについて言えばそのほとんどを観ているわけですが、その中だけでも各々が結構違うことが分かっています。この度稲生のものを拝見して、改めて玉垣地区と稲生を比べると、お囃子に若干の共通点があるものの、舞についてはかなり異なる、そしてまたそもそも演目の構成自体が全く違う、ということが良く分かりました。ついでに言えば、四日市市に近い長太(なご)などとも大きく異なっています。こういう相違が何故に生じたか、というのは大問題ではないかと思うわけです。

ただ、今回やっている一連の民俗芸能研究ではそういうことを論じるつもりはありません。大事なことは稲生の獅子舞が基本的に世襲というシステムをとっている、あるいはとってきたということです。そうして、稲生に関しては、少子化・過疎化を背景として既に世襲ではまかなえなくなっていて、それをどう補完しているのか、という辺りが関心の中心であり、更にはそういうシステムと、そうではない肥田町のような相対的にオープンなシステムとで、伝承のありようにいかなる違いがあるのか、ということを、これからやっていく調査を通して論じようと考えています。何とぞご期待下さい。

まあ、取り敢えずはこれを逃すと次回は3年後になってしまう獅子舞奉納を実地で観ることが出来、映像資料を手許に残すことが出来たのは大きいですね。タイトなスケジュールだったんですが、ちょっと無理して行ってきたのは正解でした。

と、云う事で。