桜庭一樹『少女七竈と七人の可愛そうな大人』

私設サイトの書籍紹介欄に、桜庭一樹が直木賞をとる直前の時期に書いた傑作『少女七竈(ななかまど)と七人の可愛そうな大人』文庫版を追加しています。

大変優れた作品だと思います。基本的には、旭川の地を舞台に、余りにも美しい顔をもって生まれてしまった川村七竈の、高校生時代が描かれます。幼なじみの雪風、祖父、飼い犬のビショップらとともに作り上げた完全な世界が、七人の可愛そうな大人たちによって徐々にかき乱されていく、というお話ですね。

「吉本ばななを彷彿と...」、とそっちの紹介文には書いてますが、案外この人の原点は太宰治なんじゃないかと思い始めました。太宰と言えばやはり文体が凄い。この作品についても、兎に角その文体が鬼です。最初っからぶっ飛んでます。取り敢えず数行でも良いので是非立ち読みしてみて下さい。

と、云う事で。