菊地成孔・大谷能生著『憂鬱と官能を教えた学校』

私設サイトの書籍紹介欄に、菊地成孔・大谷能生による2002年春に行なわれた講義の記録『憂鬱と官能を教えた学校』文庫版を追加しています。

講義の中身は、サブ・タイトルにあるように「【バークリー・メソッド】によって俯瞰される20世紀商業音楽史」、ということになります。要するに、本書によると、音楽史をひもとけばそれは全般的に記号化・計量化の方向にあるのでして、その権化とみなされるのがバークリー・メソッド、になるわけです。そこでは音楽はどう記号化され、体系化されているのか、そしてそれは音楽史の中でどういう意味を持つのか、ということが語られます。

非常に面白いです。音楽について、あるいは芸術一般について、何かをつかむヒントになるような書物。フジTVのワンツーネクストでも放映されているみたいなので、二人の声や実際の音を聴きながら更に内容に踏み込みたい、という方は是非そのようなこともお試し下さい。

と、云う事で。