佐藤亜紀『鏡の影』

私設サイトの書籍紹介欄に、佐藤亜紀の初期傑作、というか代表作『鏡の影』講談社文庫版を追加しています。

かれこれ4回目の刊行です。ある時期、この作家と新潮社との折り合いはホントに悪かったらしい。どうでも良いんですけどね。

舞台は16世紀頭のドイツら辺。ペストです、農民一揆です、異端審問です。そんな中世が、宗教改革等々によって変わろうとしているような時期を、「世界を変える一点」を見いだすべく駆け抜けようとする主人公ヨハネスの活躍ぶり、というか遍歴ぶりを描いた作品です。

佐藤亜紀らしい濃密な文学空間を堪能出来ます。是非ご一読ではなく2度3度と繰り返してお読み下さい。

ああ、これは言っておかないと。解説が良く分かりませんでした(笑)。思うに、解説ってのは、誰が読んでも分かるものじゃないとそこに書いてある意味がありません。

と、云う事で。