新日フィル特別演奏会、と。

昨日になりますが、新日本フィルの特別演奏会を聴きに、サントリーホールまで出向いて参りました。

指揮はダニエル・ハーディング。演目はG.マーラーの『交響曲第5番嬰ハ短調』、でした。

はじめに、震災で亡くなった方々に対する追悼の意を込めて、E.エルガーの『エニグマ』より第9変奏「ニムロッド」が演奏されました。

この演奏会自体、3月に予定されていたものが約3ヶ月延期された、ということになります。時間の経つのは早いですね。しかし、あの震災を私たちは決して忘れてはならないのです。

そして『第5番』。マーラーの交響曲中最もポピュラーなものではないかと思います。ある意味、非常に古典的な作風ですし、起伏に富み、なおかつ暗から明へ、という流れが見て取りやすく、その辺りのことが聴くものに解放感を感じさせる、ワケです。

そんな5番をハーディングは、ホルン、トランペットその他のソリスト達を見事に歌わせ、かつまたオーケストラも見事に歌わせ、同時にガッチリとした構造も組み上げる、という具合に、非常にダイナミックかつロマンティックに仕上げていました。マーラーですから、楽器は多様で、かつまた楽隊も大人数。そんなオケを統御しきったハーディングの統率力には実に非凡なものがありますね。御年35歳。これからが本当に期待できる指揮者の一人ではないかと思います。

と、云う事で。