ジャン-ルイ・アゴベ 東京シンフォニエッタ ポートレートコンサート、と。

驚異の定期演奏会から一日おいた12/5(月)、再び東京シンフォニエッタの出演するコンサートを聴きに、明治学院大学白金キャンパスまで出向いて参りました。題して、ジャン-ルイ・アゴベ 東京シンフォニエッタ ポートレートコンサート、です。

入場無料、でした。授業の一環みたいな感じですね。ちなみに作曲家であるアゴベさん、金曜日の四人組コンサートにも、土曜日のシンフォニエッタ定演にも来ておられました。私と行動パターンが近いですね(笑)。

今回の企画は、ゲストであるアゴベさんと、ホスト役で明学大芸術学科助教授だと思われる岡部真一郎氏とのトーク・セッションを前半に置き、後半はアゴベさんの曲を4曲演奏する、というものです。演奏が東京シンフォニエッタ、ということになります。

トーク・セッションでは、作曲家としての半生を語りつつ、曲を作るということがどういう作業であるのか、はたまたどういう発想で曲は出来ていくのか、といったことが語られました。

「現在は電子音楽から距離を置いている、そして身体行為としての音楽というものを追求しているんだ。でもコンピュータが音楽を作る上で今日ではある意味必要不可欠で、そこに様々な可能性があることも分かっているから、いずれはそこに戻るかも知れないけどね。」、なんていう話が面白かったです。

曲は3曲目を除いて日本初演です。1曲目は《レーベン(生命) チェロとピアノのための》(2009)。生命です。音楽技法における身体性を取り戻す、っていう戦略はこの曲辺りに顕著に出ているように思いました。2曲目は《スペクトル(幽霊) フルートと打楽器のための》(2008)。打楽器が凄まじかったです。レジ袋(笑)。

3曲目で我らが東京シンフォニエッタ指揮者・板倉康明氏がクラリネット奏者として登場。曲は《レゾンブル・ダンス(踊る影) 2本のクラリネットと残響ピアノのための》(2006)。板倉氏と、西澤春代氏に献呈された曲ですね。二人とも大変な奏者であることが良く分かりました。

4曲目は《エクリス(副木) 五重奏》(2007-2008)。これがこの日最大の編成。編成はヴァイオリン、チェロ、フルート、クラリネット、ピアノ、そして指揮者、です。ガッシリとした感じの曲ですね。小編成なのだけれど規模感は大きなものに感じられました。暗算の天才を主人公とするオペラを構想しているんだ、なんていう話をしていましたが、きっとこういう規模感を出すんじゃないかな~、などと想像しながら聴いていました。

さほど取っつきにくいタイプの作曲家ではなく、柔らかい手触りをした曲を書く人だな、と思いました。4曲しか聴いていないので何とも言えないのですが。いずれにしましても、非常に有意義な時間を過ごさせて頂きました。アゴベさんを始めとする関係者の皆様、ありがとうございました。

と、云う事で。