池澤夏樹『光の指で触れよ』

私設サイトの書籍紹介欄に、池澤夏樹による新聞小説『光の指で触れよ』文庫版を追加しています。

『すばらしい新世界』の続編、と考えて良い作品ですが、あの物語から世界は大きく変わってしまっています。でも、確かに人生って、いつ何時何が起こるか分からないんですよね。震災しかり、私の身の回りしかりです。取り敢えず、この世界について色々なことを考えさせてくれる素敵な作品でした。

そうですね、取り敢えず、エコロジーですとか家族の絆ですとか宗教ですとか、あからさまと言っていいほど倫理の問題に踏み込んでいるのにも関わらず、余りお説教臭くないところが池澤さんの素晴らしい点だと思います。必ずしもドライ、では決してなく、さりとてホッと過ぎることは全く無い、というようなスタンスですね。是非ご一読を。

と、云う事で。