2012年11月アーカイブ

去る11/23(勤労感謝の日、新嘗祭)に行なわれておりました、『生誕125年 信時潔とその系譜』というコンサートの第II部「声の系譜」にコーロ・カロスの一員として出演して参りました。簡単にご報告などを。(以下、基本的に敬称略)

このコンサートですが、洋楽文化史研究会が主催したもの、ということになります。この研究会についての詳しい説明は下記をご覧下さい。

洋楽文化史研究会

私なりの理解によるこのコンサートの趣旨は、信時潔(のぶとき・きよし)という、「海ゆかば」あるいは「沙羅」といった楽曲の作曲者として、私などよりもかなり上の世代の方々の記憶には間違いなく残っているはずの作曲家について、その作曲家としての生涯を各年代に書かれた作品によって振り返りつつ、更にはまた同時代、あるいはその系譜に連なる作曲家たちの作品群をも俯瞰し、両面から信時潔という作曲家の音楽史における位置づけを再確認しよう、ということになるのだと思います。

第I部は器楽曲。楽屋で聞くことができましたが、信時潔による曲と、その弟子である下總皖一(しもおさ・かんいち)のものが演奏されました。これを聞きつつ集中力を高めて第II部へと向かいます。

第II部は合唱曲を中心とするラインナップ。80分弱くらいの長さだったと思います。途中、各年代の信時潔・ミイ夫妻の台詞を混ぜ込み、ややシアターピースに近い構成をとりました。指揮は栗山文昭、ピアノは寺嶋陸也です。

全部で24曲演奏したわけですが、曲数もさることながら、一度も捌けられない構成でございまして、水分補給できなかったのが非常に辛かったですね。真ん中へんの、コンサート前にプレトークをして下さった大中恩・実行委員長の「わたりどり」あたりで、既に喉に違和感が。何とか最後まで歌いきりましたが、しばらく声はガラガラでした。

まあ、前週末の合宿から殆ど休み無く日々練習を重ねたりといった苦労に加え、そんなやや過酷な状況もありはしたのですが、雨の中詰めかけてくれたお客さんに何かを持ち帰って貰いたいという使命感みたいなものに促されまして、個人的には概ね納得のいく演奏ができたように思いました。

そんな、苦労したと同時に得るところも大きかった演奏会ですが、これを機に、信時潔、あるいは今日では顧みられることが非常に稀になってしまった感のある数多くの愛され、尊敬されるべき作曲家達に、再び目が向けられることを願ってやみません。

次回出演は年末恒例の「第九」演奏会となる予定です。

と、云う事で。

私設サイトの書籍紹介欄に、相変わらず絶好調を維持している東野圭吾によるガリレオもの長編『聖女の救済』文庫版を追加しています。

いやー、ホントに凄いトリックです。脱帽するほかはありません。こういうすぐれた作品を読むと、この作家、やっぱり基本は本格の人なのだな、と改めて思ってしまいます。

と、云う事で。

私設サイトの書籍紹介欄に、誉田哲也によるダークなクライム・ノヴェル『ヒトリシズカ』文庫版を追加しています。

6作品からなる連作短編集です。全編にわたってひたすら暗澹としたお話ですが、さすがに読ませると言いますか、まずもってその構成が本当に素晴らしいです。ある意味、「誉田流」の人間洞察が非常に端的な形で表れた作品ではないかと思いました。

と、云う事で。

私設サイトの書籍紹介欄に、乾くるみによるSF長編『スリープ』文庫版を追加しています。書き下ろしの単行本刊行から2年での文庫化です。

タイトルの「スリープ」とは冷凍睡眠のこと。詳しくは書きませんが、テレビで科学リポータをしているという設定の天才美少女と冷凍睡眠装置を巡って物語が展開します。いやー、面白いですよ~。

テイストとしては、勿論乾くるみ作品であることは間違いのないところですが、個人的には森博嗣と山本弘という、ダブルヒロシを足して2で割ったような、という表現でも良さそうな気がしました。その辺がツボなあなた、もう、これは読まないとですよ。

と、云う事で。

タイトル長いですが、去る11/11(日)、三重県文化会館大ホールで行なわれておりました、Vocal Ensemble《EST》創立20周年南フランスツアー報告コンサートに出演して参りました。実に4年振りの定演でしたが、以下、簡単にご報告を。

さてさて、7月末から8月頭にかけて、南フランスはヴェゾン=ラ=ロメーヌでのご褒美演奏旅行に出向いていたことは既にこのブログにも書いておりますが、今回はその報告コンサート。当初は4st「地上の平和」とアンコールくらいと思っていたものが、色々な紆余曲折を経まして、結局全ステージ乗ることになったのですが、その辺の事情は本人から聞いて下さい(笑)。

津には前日から入りまして、お昼過ぎには会場入り。舞台やロビーの準備を終え、声だしからサウンド及び並びチェックへと向かいました。まあ、あんまり細かいことは書きませんが、大変でした。

そうですねー、結局色々含めて21時近くまでやってましたが、まあ、時間はいくらあっても足りないな~、というのが本音ですね。特に、良い音を鳴らすためにベストな並びへのこだわりがそうさせています。これは、実地でやるしかないですからね。これにかけた時間がかなり多大だったのです。

そんな前日を経て、当日は9時くらいに会場入り。更なる深みへと向かうサウンドチェック、そしてまた本番を意識した隊列変化の確認、ピアノ合わせなどを中心としたメニュー。これでもかなり押し気味でした。そのため、一通りの流れをやってみる、というような時間はなかったですね。今回はサウンド重視、ということで良しとしましょう。

そんな感じで作り込んだ音でしたが、いかがだったんでしょうね。

ところで、個人的にはやはり、フランスでやっていない曲、というのが鬼門、でした。以下、その辺を中心として演奏順に見ていきますと、まず、オープニングの相澤直人さん「ぜんぶ」。実は、GWに京都の元団員結婚式披露宴でアカペラ版をやってますが、今回は相澤さん自身によるピアノ演奏付き版。微妙な違いが結構怖かったですね。かろうじて乗り切りましたが、不安を隠すことにやや疲れました。配置バラバラだったし(笑)。

次。1stは全てフランスでやっているのでOK。長くて、かつまたやたらとポジションチェンジが多くて、大変なステージではありましたが。ちなみに、このステージの完成度が一番髙かった気がしているのですが、どうでしょうか。

続いて2stはフランスにも同行した山下祐加さんの『私たちは一人ではない』全曲。全3曲の組曲ですが、これの1、2はフランスでやっていません。ちなみに、2stに乗ることに決めたのは10月第3週の合宿ですので、それからの3週間、結構必死でした。まあ、何とか覚え切りましたが。覚えたとは言え、歌い込みは全く足りていなかったな、と思います。こればかりは、時間をかけるしかないですからね。ピアノ付きで歌ったのはこの日が初めてだったし。家では一人でちょっとだけやってましたが(笑)。

考えてみると、フランスでやってない曲、の大半がピアノ付きだったのも私にとってはちょっとだけ幸いだったかも知れません。ピッチをピアノに合わせれば良いわけですから。

3stの少人数アンサンブルにも1曲参加しましたが、これもステージで歌うのは何気に初めて。でも3年前にフランスに行った時からのつきあいですから、特に問題なし。他の曲もフランスでのメニューです。かなり入念にリハーサルしましたので、結構良い音としてたんじゃないかと思いますが、どうでしょうね。

で、4stは「地上の平和」。そうですねー、これを、あんまり上手く歌えなかったのがこのコンサートにおける最大の反省点、になります。フランスであれだけ歌い込んでいて、それでもまだ全然足りない、もしかしたら一生届かないかも知れない。そんな曲なんだな、と思いました。もっと修行を重ねて、いつかどこかで再演したいですね。

アンコールは信長貴富シリーズです。「ルパンIII世」と「見上げてごらん夜の星を」、そしてロビーで「ふるさと」。「見上げて」は合唱祭でやってますが、あのときはうろ覚え。でも、今回はしっかりと歌えたんじゃないかと思います。

全体として、日本語曲多いな、というのが率直な感想です。私がいた5年前だと、それこそアンコールでちょっとだけやる、という感じだったような。その後、千原英喜、間宮芳生、三善晃、信長貴富、鈴木輝昭、松下耕、そして相澤さんや山下さんなどなど、といった感じで日本語曲のラインナップは着実に増えていってますね。

そうなんですよね。基本的に海外で演奏する機会がかなり多めな合唱団だと思ってますので、日本語の曲はこれから先是非大事にしていって欲しいな、と思う次第です。どっちかというと外国語苦手だし(笑)。まあ、それもやらないとですね。

さてさて、最後になりますが、来年は5/5(祝)に千葉の京葉銀行文化プラザでの合唱団イクトゥス創立20周年記念第7回演奏会への出演、10/20(日)には三重県文化会館、10/26(土)には渋谷の渋谷区文化総合センター大和田さくらホールでのそれぞれharmonia ensembleとのジョイント・コンサートなどが予定されているようです。

私にとっては地元である千葉や東京での演奏機会があるわけですが、私自身としては、色々と折り合いを付けつつ、何らかの形で関わっていきたいものだな、と思っています。

と、云う事で。

私設サイト書籍紹介欄に、アメリカの作家エドモンド・ハミルトン(Edmond Hamilton)による作品集『フェッセンデンの宇宙』文庫版を追加しています。

日本独自編集の作品集で、単行本は2004年刊。読みやすい訳、そして素晴らしい作品セレクト。改めて、凄い作家だな、と思いました。是非ご一読のほど。

と、云う事で。

私設サイトの書籍紹介欄に、芥川賞作家・円城塔による2008年刊行の作品集『オブ・ザ・ベースボール』文庫版を追加しています。

「オブ・ザ・ベースボール」と、「つぎの著者につづく」の2本の中篇からなっています。どちらも初出は『文學界』。特に前者は、文學界新人賞受賞作にして、この著者のデビュウ作、ということになります。

どちらも割と読みやすい作品だと思いますので、取り敢えずここから読み始めることをお勧めします。まあ、それなりに集中力は要りますけれど。

と、云う事で。