2012年10月アーカイブ

去る10/27(土)、相模原市の杜のホールはしもとで行なわれておりました、相模原市で活動している女声合唱団コール・ブーケによる第3回演奏会を聴いて参りました。

指揮はコーロ・カロスでいつも一緒に歌わせて頂いている藤田寧子さん、ピアノは松井洋子さん、もうひとりピアノとリコーダの賛助出演として福原千春さん、という布陣でしたが、以下、簡単に報告を。

さてさて、ホールは京王線橋本駅から直結のミウィの7階にあります。場所も、音響もとても良いホールですね。政令指定都市なのに一体どうなってるんだと常々思っている千葉市民としては非常に羨ましい、と思いました。

それは兎も角、多少は場所の良さからかも知れませんが、お客さんの入りはかなりのものでした。3回目とは言え、28年間(でしたっけ?)活動してきたこの合唱団、ご家族やご近所の皆様、あるいはまた広く地域の皆様に愛されている、ということなのでしょう。

演奏曲は1stが北野実編『サウンド・オブ・ミュージック』合唱曲集より4曲、2stが新実徳英『ねむの木震ふ』全曲、3stが江口泰央編『中山晋平 童謡つづれおり』から5曲、4stが寺嶋陸也『月夜の木馬』全曲、という盛りだくさんかつ結構なヴォリュームの内容でした。

19人という、若干少なめのメンバでしたが、決して易しくはない、というよりはかなり難しいとも言える曲を含むレパートリを、相当な時間をかけて練習してきたことがひしひしと感じられるコンサートでした。

そうですねー、リズミカルでシンコペーションの烈しいものもあり、連弾ものあり、暗譜ステージあり、極めつけは3stのアカペラ・ステージありですからね。実のところ、これまでに、これだけ濃い内容のものを一つのコンサートで、という経験の余りないメンバが殆どだったようなのですが、次回も是非どん欲に挑んで頂きたいな、と思いました。例えば外国語曲とかいかがでしょうか?

アンコールは相模原市出身の寺嶋陸也氏が、相模原市合唱連盟50周年の節目に作曲したという「未来へ」、と、信長貴富編の「花」、でした。個人的には、この2曲がとても良かったですね。心地よく、コンサートを聴き終えることができました。

と、云う事で。

私設サイトの書籍紹介欄に、芥川賞作家・円城塔による2010年単行本刊行の短編集『後藤さんのこと』文庫版を追加しています。

数学と物理学に満ちあふれた、難解かつアクロバティックな作品群です。まあ、注意深く読んでいけば色々と分かってくるんじゃないかと思います。一筋縄ではいかない作家ですが、是非チャレンジを。

と、云う事で。

私設サイト書籍紹介欄に、京極夏彦による連作短編集『厭(いや)な小説 文庫版』を追加しています。

10年近くにわたって書き継がれてきた7本の作品からなっています。まあ、現代怪談、ということになるでしょう。是非ご一読のほど。

と、云う事で。

私設サイトの書籍紹介欄に、三津田信三によるホラー・ミステリ長編『スラッシャー 廃園の殺人』文庫版を追加しています。

オリジナルは2007年刊。良く出来た作品ですね。凝った仕掛けはこの人ならではのもの。ホラーやミステリ、あるいはまたホラー映画ファンのみならず、色々な方にお読みいただきたい作品です。

と、云う事で。

私設サイトの書籍紹介欄に、平野啓一郎によるドゥマゴ文学賞受賞の大長編『ドーン』文庫版を追加しています。

面白いですね。近未来SFです。火星探査と大統領選と不幸な妊娠と仮想現実とバイオテロと相互監視社会と震災などが上手い具合に絡み合った、非常に良く出来た小説だと思います。

ちなみに、この作品における最重要なモティーフとも言える「分人(ディヴィジュアル)」という概念が非常に重要ですね。これ、これからの作品でも登場するんでしょうか。

と、云う事で。

昨日(10/14日)になりますが、東京オペラシティ・コンサート・ホール・タケミツメモリアルで行なわれておりました、同ホールの15周年記念公演、バッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)によるフェリックス・メンデルスゾーン作曲『パウルス』を聴いて参りました。以下、簡単にご報告を。

私自身が前日に本番がありまして、東京シンフォニエッタの定演(西村朗特集!!!)に行けず、また、BCJの公演と何故か同じ時間帯にぶつけられた新国立の『ピーター・グライムズ』も観られず(計5回公演ではあるのですが...。この日以外に一体いつ行けるというのだ。)、なんていう結構厳しい日々だったわけですが、まあ、前々から期待に期待していた『パウルス』が色々な事情により図らずも鑑賞できて、誠に幸いでした。結構複雑なんですけど。

この、むしろ『聖パウロ』という名で知られているんじゃないかと思う作品、メンデルスゾーンが27歳の時に完成させた宗教オラトリオ、となります。メンデルスゾーンはその短い生涯の中でオラトリオはこれと『エリア』のみを完成させただけにとどまったわけですけれど、この曲、間違いなく『エリア』に比べ知名度はかなり低いと思います。

しかし、そこはBCJ。J.S.バッハとその周辺の音楽をとことんまで追究してきたBCJが、今回はJ.S.バッハとの関係が極めて深いメンデルスゾーンの、まさにバッハへのオマージュともいうべき作品を、敢えて初演当時に近い楽器群を使い、編成をいつもよりも拡大して提供することで新たな光を当てよう、という企画。まさに垂涎ものですね。ちょっと汚いですが。

作品は、第1部ではキリスト教徒に迫害を加える側にいた異教徒たるサウロ(後のパウロ)が、イエスの声を聴いて改心し洗礼を受けるところまでを、第2部ではパウロと名を変えて布教に赴いたものの各地で迫害を受け、それでもあきらめずに福音を伝えることを決意し旅立つまでを描きます。

室内楽的な一体感と、大編成的なダイナミックスの双方を随所に感じさせる演奏で、さすがに並の鍛えられ方ではないな,と思いました。なんだかんだ言ってかなり長い曲ですが一本の線で見事に繋がっておりまして、そのある意味マニアックであると同時に、これぞスタンダード?、と思わせるような音楽作りにはまさに脱帽という感じでした。堪能しました。

まあ、細かいところを言い出すと実のところキリはありません。あんまり詳しく書きませんが。しかし、そんなことが些細なことに感じられるような、名演だったと思います。

と、云う事で。

昨日(10/13土)になりますが、すみだトリフォニーホールで行なわれておりました新日本フィルの特別演奏会に出演して参りました。曲はG.ヴェルディの『レクイエム』。指揮は上岡敏之さんでした。

先週の合宿から1週間くらいこの曲漬けでしたが、一昨年のC.アルミンク版(こちら、CDが出ています。)とはかなりテイストの違う作りで、お楽しみ頂けたのではないかと思いました。ソリスト陣も実に素晴らしかったですね。残念ながらお客さんの入りはもう一つでございましたが。

基本的に楽譜に書かれてないことはしない、という上岡流の音楽作りというのは、ひたすらロマンティシズムに溢れていると考えられがちなこの曲に、別の光を当てているようにも思われました。そうですね。ヴェルディ、非常に緻密です。そして思いの外端正です。

そんなことを随所で感じつつ歌っていましたが、二重唱、三重唱、四重唱の作り方や、長いフーガの先まで見通した構築ぶりなどなどといった部分に、指揮者として卓越したものを感じてしまいました。次の来日がいつになるか分かりませんが、機会がありましたら是非一度体験してみて下さい。

私自身としては、毎度のことながらタイトなスケジュールを縫っての練習参加、及び本番参加、でした。かなり消耗しましたが、取り敢えず、土曜本番が平日本番よりは遙かに楽なのは間違いのないところです。それでも余裕はないんですけどね。

次回ステージは11/11(日)。三重県文化会館大ホールで行なわれるヴォーカルアンサンブル≪EST≫第20回定演にしてフランス・ツアー報告コンサートとなります。さすがに全ステージ出演というわけにはいきませんが、しっかりと準備して臨みたいと思います。フランスで得たものを皆様にお見せしたい所存です。ご期待下さい。

と、云う事で。

私設サイトの書籍紹介欄に、冲方丁による文庫オリジナルなアンソロジィ『OUT OF CONTROL』を追加しています。

SFからホラー、純文学、歴史小説、までが含まれた、この作家の一通りを見渡すには恰好の書と言えるものです。着想の妙、独特な文体、時代への深い洞察など、いかにもこの作家、という要素に満ちあふれていて、非常に愉しく読みました。

と、云う事で。

私設サイトのDVD紹介欄に、リュック・ベッソンによる「アーサーとミニモイ」シリーズ第3弾にして完結編、フランスのセザール賞アニメーション映画賞に輝く作品である。

そうではあるのだが、日本未公開。これだけのクオリティのものが何故、という感じなのだが、この世界の厳しさを感じさせてくれるエピソードではある。

取り敢えず、イギー・ポップの歌うエンディング・テーマが誠に素晴らしい。ちなみにこれってYou Tubeとかにある?

と、云う事で。

私設サイト書籍紹介欄に、結城充考(ゆうき・みつたか)による長編『エコイック・メモリ』文庫版を追加しています。

「クロハ」シリーズの第2長編、ということになります。第1弾から、著しくスケール・アップしています。是非ご一読のほど。

と、云う事で。

私設サイトの書籍紹介欄に、清涼院流水によるパニック小説『コズミック・ゼロ 日本絶滅計画』文庫版を追加しています。解説は森博嗣です。

確かに、この人らしいと言えばこの人らしいお話です。それなりのひねりはあります。

でも、長い割には深みがもう一つ足りないかも知れません。基本的に、物事を単純化し過ぎるのはどうかと思います。そんなこんなで、ちょっと入り込めませんでした。

そうですねぇ、実際のところ特に新しい趣向も見あたらず、これなら小松左京でも読み直した方が良いよね、などと考えてしまいました。有川浩でも良いですが。

と、云う事で。

私設サイトの映画紹介欄に、岩井俊二による8年ぶりの長編映画『ヴァンパイア』を追加しています。

カナダが舞台の、全編英語で綴られる、何とも詩情豊かな吸血鬼映画です。吸血鬼映画としてみれば異色であり、そこはやはり岩井作品です。個人的には、要するに岩井版『ベルリン 天使の歌』なんだと思いました。

と、云う事で。