2012年8月アーカイブ

私設サイトの書籍紹介欄に、奥泉光による2009年発表の大長編にして、野間文芸賞受賞作『神器 軍艦「橿原」殺人事件』文庫版を追加しています。上下2分冊です。

『グランド・ミステリー』から10年余り。基本的なモティーフなどには共通点が多いと思いますが、さすがに熟練の極み、という感じですね。色々とインスパイアされました。

そうですねぇ。こういうもの(要するに「文学」なのですが。)を書ける作家が本当に稀少になっている今日なわけですが、例えばこういう作品を墓標とするようなことはあってはならないことだと思っています。文学にはこれからもその役割を果たして頂きたいものです。やるべきことはたくさんあるはずなので。

と、云う事で。

私設サイトの音楽CD紹介欄に、The Smashing Pumpkinsによる再始動後第2作『オセアニア』を追加しています。

とうとうオリジナル・メンバがビリー・コーガンだけになってしまった彼等ですが、新しいメンバ達も相当な腕の持ち主でして、とても良い仕上がりになっていると思います。バンド・サウンドに拘った快作をお聞き逃しなきよう。

と、云う事で。

私設サイトの映画紹介欄に、クリストファー・ノーラン監督によるバットマン・シリーズ第3弾にして完結編『The Dark Knight Rises』を追加しています。

基本的にとんでもない豪華キャストだったこのシリーズは更に新たなメンバを加えていよいよ百花繚乱という感じ。これで終わってしまうのは確かに残念ではあるのですが、これだけの完成度の作品群を3つ揃えたのだから、これ以上何かを望んではいけないのでしょう。ノーラン監督、着実に彼の時代を築き始めていますね。今後にも期待しましょう。

と、云う事で。

先週の日曜日(8/12)になりますが、珍しく午後の練習が無かったので(8月だから?)、文京シビック大ホールで行なわれておりました、お江戸コラリアーずの第11回演奏会「お江戸の新世界」を聞いて参りました。簡単に感想などを記したいと思います。以下、基本的に敬称略です。

まあ、暑い中大変、だったと思います。なんか色々ありましたね~。それはさておいて、と。

第1ステージはドイツ・ロマン派特集。難易度的には一番大変なステージだったのではないかと思います。F.メンデルスゾーン、M.レーガー、R.シュトラウス、R.シューマンといったラインナップで計5曲。80人くらいの大所帯ですので、ロマン派曲らしいうねるような感じもところどころに出ていたように思いました。ただ、個人的な感想としては、ドイツ語のニュアンスや和声の微妙な変化などをうまく吟味・咀嚼しつつ、音色や響きのレヴェルでもっと多彩かつ的確な表情付けがあっても良かったかな、と思います。実現するのは大変難しいんですけどね。

第2ステージは信長貴富の新しい曲『じゆびれえしよん』。詩は山村暮鳥によります。男性合唱曲に新たなヘヴィ・ローテーションなレパートリが加わった、という感じでしょうか。これは今後頻繁に演奏されそうですね。暮鳥がクリスチャンだったこともあり、詩には勿論、音楽にもかなり宗教曲的な色彩が加わっています。決して平易なものではない言葉のニュアンスをうまくとらえ表現した、端正でみずみずしい、そしてまたしっかりした演奏だと思いました。

第3ステージはシー・シャンティ集6曲。海の労働歌、ということになりますでしょうか。男声合唱では結構良く歌われるものです。スタートでちょっとトラブルがありましたが、力強い、迫力のあるステージだったと思います。文京シビックは音響的には割とデッドだと思うのですが、この種の曲にはこういうホールの方が向いてますね。

第4ステージはこの日の目玉ということになるのであろう、三善晃『遊星ひとつ』の全曲演奏。4曲からなる組曲ですが、連弾ピアノを必要とします。で、1、3がアカペラで、2、4がピアノ付き、というあたりにもこの曲の難しさがありますね。歌ったことないですけど(笑)。有名な曲ではありますが、技術的にも体力的にも、あるいはまた音楽的な深さという点でも演奏するのはかなり困難なはずのこの曲を、そつなくキチッと仕上げてくる辺りはさすがといったところでしょうか。ついでに書いておきますと、この中の2曲を全日本合唱コンクールで演奏する模様です。更に磨きをかけていって下さい。

アンコールは松下耕の新曲と「斉太郎節」の新しいアレンジ、でした。後者はホントに良かったです。これが、私が選ぶこの日のベスト・アクト、でした。最初からこんな感じだと良かったかな、などとちょっと思ったり(笑)。

と、云う事で。

est_20th_concert_01.jpg宣伝です。先月南フランス・ツアーに同行させて頂きましたVocal Ensemble 《EST》の第20回定期演奏会が、2012年11月11日、三重県文化会館大ホールにて開催されます。開演14:00。

フランスで演奏した曲を中心としたレパートリとなっております。更に磨きをかけた演奏になると思います。何とぞご期待下さい。

ちなみに、私が舞台に乗る可能性は少なからずあります。チケットノルマとかどうするんだろう(笑)。

取り敢えず、下記から買えるっぽいです。

ヴォーカルアンサンブル《EST》創立20周年南フランスツアー報告コンサート

と、云う事で。

私設サイトの書籍紹介欄に、乾くるみによる2008年刊行の作品集『六つの手掛り』文庫版を追加しています。

林兄弟の三男・茶布(さぶ)が謎解き役です。全編にわたり、徹底的に本格です。そして、クオリティ高いです。是非ご一読の程。

と、云う事で。

私設サイトのDVD紹介欄に、トムクルーズ主演による「ミッション:インポッシブル」シリーズ最新作、『ゴースト・プロトコル』を追加しています。

助演のジェレミー・レナーが良い味出してますね。複雑なお話ではありますが、兎に角このシリーズの持ち味である様々な仕掛けが見事と言いますか、本当にうまく作られています。さらなる進化を遂げるであろう5作目にも大いに期待しましょう。

と、云う事で。

私設サイトの書籍紹介欄に、山本弘によるファンタジーにして経済小説ともみなせる、『詩羽のいる街』文庫版を追加しています。オリジナルは2008年刊です。

画期的なキャラクタだと思います。合理性、がキーワードですね。かなり深い洞察に満ちた作品だと思いました。作中作である、『戦場の魔法少女』がなかなか良いです。

と、云う事で。

南フランスのメディアがこんなものを作ってくれました。是非ご覧下さい。リンクが切れないことを祈ります。

Festival-des-Choeurs-Laureats 2012

ちなみに、動画は最後のフルメンバでのコンサートの模様です。私は常時ほぼセンタですね。

と、云う事で。

私設サイトの映画DVD紹介欄に、スウェーデン出身の名匠ラッセ・ハルストレム監督による恋愛映画以外の何物でもない映画『親愛なる君へ』を追加しています。

日本公開は全米公開からかなりかかりましたね(約1年半後)。全米での興行成績はなぜか非常に良かったようですが(複雑なものに疲れてしまったのかな、などと。)、いかんせん批評家の評価が低すぎた、ようです。賞にもほとんど引っかからず。

結局のところ、ハルストレムの映画じゃないと思ってみれば、そんなに悪くないのかも、という位の作品だと思いました。まあ、あんまり良くはないんですけどね。ジェリー・ブラッカイマーでももうちょいやるんじゃないかな?

と、云う事で。

10日目(7/31)です。今回の南フランス遠征も、ついに最終日、ですね。基本的に移動のみ、の1日です。

5:30には起きてましたんで、なんか食べようかな~、と思ったんですがお茶のみで済ませました。この時点で起きてきているお世話になった方々にプレゼントを渡します。さすがに時間が早いので3人だけでしたが。出発は結局6:30くらいになりました。

途中、アヴィニョン観光組をTGVの駅かなんかに降ろしていきましたが、マルセイユ空港には9時前には着いてましたね。これで向井先生や野田代表ともお別れです。

Vaison_20120731_01.jpg荷物を預け、手荷物検査を受け、出国審査を受け、写真は空港の出発ロビー。そんなに大きな町ではありませんので、小規模な空港です。地方都市の空港にしてはでかい、というレヴェル。でも、ソフィア空港よりははるかに乗り降り多い感じでしたね。

フランクフルトまでのフライトで出た機内食はチョコバーとフルーツでして、これなら朝食ちゃんと食べとけばよかったな、と思いました。

Vaison_20120731_012jpg.jpgフランクフルト空港ではトランジットの時間がほとんどない中、またしてもかなりの距離を歩かされました。しかし、今回は途中空港内モノレールみたいなものに乗れました。こういうものには目がないのです。

10時間くらいのフライトで8/1の8:00前に無事成田に到着。フライト中はさすがにくたびれてたんで基本的に寝てましたが、『ドイツ・レクイエム』の譜読みもちょろっとしてました。空港はオリンピックやら夏休みやらの影響かやたら混んでまして、荷物が出てくるまで散々待たされました。ちょっと珍しい経験。

京成津田沼駅で乗り換えのために初めて外に出て、うわー、日本暑いな~、と思いました。

さてさて、長きにわたる連載でしたが、これにて終了です。お読みくださった皆様、ありがとうございました。次の海外はどこになるんでしょうね。個人的にはドイツ以北のヨーロッパに行きたいです。

と、云う事で。

9日目(7/30)です。実質的な最終日となります。

いつものようにパンとシリアルと果物の朝食をとりまして、午前中はブログを更新したり何だり。11:30からパート練習を1時間ほどして、良い感じに仕上がったところで昼食。これがこちらでの最後の昼食になりますね。

21:00からファイナルコンサートということになりますが、向井正雄指揮で2曲日本語曲を歌うことになりましたので、午後の頭はこれの練習。「さくら」と「湯かむり唄」の2曲です。アンコールかかったら「故郷」もやりましょうね、という感じで。こっちは練習しませんでしたが。

Vaison_20120730_01.jpgバスで会場となるサン・クナン(St.Quenin)教会へと。小さな教会です。でも、何だか由緒ありそうな雰囲気が漂います。ちなみに、写真を見て改めて、南仏の空がいかに青いかを再認識しました。真っ青ですね。

ここで、15:30から6人の指揮者により、7曲分のリハーサルをしました。ミシュキニスは2曲で1人、となります。なお、リストの"Ave Maria"にはピアノが入るんですが、ピアニストが全く弾けていない、という驚愕の事態が発生し、結局エルダイ先生自らが弾くことになりました。というか、全然難しくなさそうなんだけど、そもそも楽譜読めないとかそんな感じでしたね。信じられないことですが。

Vaison_20120730_02.jpg1時間半ほどで6人によるリハが終わり、向井指揮の2曲の、特に「湯かむり唄」の場当たりを中心にした最終調整が行なわれまして、会場をいったん離れました。

ちょっと時間的に余裕があるところで、相変わらずたっぷりな夕食を食べ、軽く食休み。バスで再び教会へと向かいます。

そして本番。礼服上下で1時間、はちょっと暑かったですが、何とか無難に終了。熱烈なアンコールに応え、「故郷」に加えその場で急きょ決めた「私たちは一人ではない」も演奏。この曲、ようやくちゃんとしたピアノで演奏できたことになります。これまではヤマハのクラヴィノーヴァでしたので。

演奏会後は教会外で打ち上げ。受講生の皆様とも交流でき、有意義な時間となりました。これでお別れになってしまいますね。プレゼントを日本から持って来ていたのに、渡せなかったのがちょっと心残りでした。

これにて全スケジュール終了。翌朝フランスを発つことになります。なので、次回はいよいよ最終回、です。

と、云う事で。

8日目(7/29)です。マスタークラス第4日目。

とはいえ、マスタークラスは午後というよりは夕方からですので、午前中はフリー。お買い物ができるタイミングはここくらいしかありませんので、町へと繰り出します。

Vaison_20120729_02.jpgヴェゾン-ラ-ロメーヌは人口6,000人弱の小さな町ですが、中心部はそれなりに充実しています。写真は商店街みたいなところ。土産物屋から日常雑貨屋、あるいはパン屋やカフェ等々、様々な店が軒を連ねております。

地元の方々が使うスーパーもありまして、ここは結構穴場。お菓子や食料品などにはイタリア製やドイツ製のものが結構ありますので、フランス製なことを確認しないといけませんが、それをチェックしつつ適当にお買い物。

Vaison_20120729_03.jpgマルセイユが近いこともありまして、石鹸屋は多々あります。写真はこの町では福を呼ぶというセミをかたどったオブジェ。セミの形の石鹸も多々売られておりました。そうなんですよね。ついて早々から結構セミが鳴いておりまして、それが日本のセミとは結構違う低音で興味をそそられていたのでした。

宿に戻って昼食をとり、例によってベースは集まって練習。演奏クォリティを少しでも上げたい、という一心です。

15:30から3時間、そして夕食後の1時間ほどマスタークラス、でした。翌日が演奏会ですので、全曲をかなり細かく練習。もう前に立たせてもらえない人が何人かいましたね。なかなか厳しいです。ラテン語のドイツ語読みを徹底させようとしていましたが、まだ付いてきていない団員多数、な感じでした。結局最後までうまくいかなかったんですが、もっと集中してほしかったな。

指導の中でエルダイ先生は、音楽の構造をとらえること、理解させることがとても大事なんだ、と力説しておられました。当たり前のことではありますが、突き詰めるのはかなり困難なことでもあります。

夜には曲順と振る人も決定し、いよいよ最終日へと突入します。

と、云う事で。

早いものでもう7日目です。前日にコンサートが終わり、軽く打ち上げがあって宿に戻ったのは1時とかそのくらい。同室にこの朝帰る人もいますんで結構落ち着きません。で、帰りの飛行機はマルセイユ10:20発ですから、ヴェゾン6:00発、くらいな予定でした。

さすがに二度と会えない可能性のある人もおりますんで、当然お見送りです。しかし、待てども待てどもバス来ません。お世話役のマドレーヌさんも右往左往。状況が分かりません。

どうやら、運転手さんは10:20に宿舎発だと思っていたらしい。しかし、間違いだと分かっても来てくれない。仕方がないので運転手さんを束ねているマネージャのような人が自らバスを運転することになったらしい。間に合うのか?、というタイミングでしたが、ぶっ飛ばせば1:20くらいで着くらしく、結局出発は7:30過ぎてましたがかろうじて間に合ったそうです。最悪の事態も想定してしまってましたが、よかったよかった、です。

朝食の後は、前日までの疲れも取れておらず、そしてまた朝のすったもんだでくたびれ果てましたので、部屋でダラダラ過ごしました。そんな中、若干『ドイツ・レクイエム』の譜読みもしました。

ランチをとって、14:00くらいからパートで練習。基本"Ave Maria"ですね。もう大丈夫だろう、ってくらいにはなりました。

15:30からマスタークラスを割とびっちり3時間。昨日コンサート前ということで省いた、"Ave Maria"、"Ave Maris Stella"、"Psalm117"(要するに消耗が激しい、ということです。)の3曲のうちのどれかを、各受講生が与えられた20分くらいの時間の中で我々に稽古を付ける、ということをしました。

一人一人の力量が分かってくることで、エルダイ先生の指導も少しずつ変化していきます。受講生はかなり素人っぽい方から、オケを振っているプロっぽい方までといったように千差万別。そんな多士済済なメンバに、本当に分かりやすく、合唱団とどのように協力関係を築いて、音楽を作り上げていったら良いのかを、自らも歌い、ピアノを弾きながら示していきます。まことにブラーヴォですね。

Vaison_20120728_02.jpg夕食後は30分ほどのベース練習の後、初めてといって良いヴェゾン観光。来た時から目立ちに目立っていたランドマークである、古城へと向かいます。写真の時点で21:18。まだまだ明るいですね。

この城、トゥルーズ伯が建てたものといいますから、相当古いと思われます。中世の一時期にこの地方で繰り広げられた、アルビジョワ十字軍によるカタリ派弾圧というフランスが抱え込む負の歴史を、垣間見る思いでした。

Vaison_20120728_03.jpgドラクエの世界に迷い込んだかのような旧市街を散策し、カフェというかクレプリー(クレープ屋)に入ってシードルを少々。クレープも少々頂きましたが、とてもおいしかったですね。あんまりくどくないです。非常に上品な仕上がり。そう言えば3年前にトゥールでも食べましたね。

そんな感じでこの日は割とまったりと終了。そんなひと時もつかの間、翌日は、ファイナル・コンサートへ向けての最後の仕上げにと邁進することになります。

と、云う事で。

6日目(7/27)です。ほぼ中日。

この日は午前中に、指揮法マスタークラスを2.5hほど、そして夜には21:00からフル・メンバでの第4回目にして最後のコンサート、という流れになります。コンサートの場所はヴェゾン‐ラ‐ロメーヌの大聖堂。昨日エストニアの皆さんによる合唱を聴いたところですね。

まあ、きついスケジュールです。マスタークラスでは、遅れてきた2名が最初に8分ずつ与えられて練習を付けました。後の時間は、一人15分くらいずつ6人ほどによる練習。指揮法についてのチェックも適宜行ないますが、それ以上に重要なのは、合唱団への説明です。自分がその曲をどう演奏したいか、ということを適切な言葉でキチンと伝える。そして、何かがうまくいっていない時に、ではこうしてみましょう、ということを具体的に示す。そういったようなことを、サンプルの7曲を通じて、丁寧に、そして無駄なく伝えていきます。勉強になりましたね。これがまだ3日間続くんだな、と。

Vaison_20120727_01.jpg昼食前に小一時間、今回招かれている3団体、すなわちエストニアのCollegium Musicaleと、英国のThe Songmen、そして我々による交流会が、宿泊している施設の中庭で行なわれました。写真はその模様。ちなみに、3団体とも、1曲ずつ披露しました。

ランチの後、大聖堂が結婚式であかない、という良く分からない事態なため、大聖堂の隣にある小学校に移動して2hほど練習。いやー、時間ないなー、でも歌いすぎかもなー、という感じでした。

大聖堂がかろうじて17時くらいにあきまして、ここで場当たりを中心とした練習を。結婚式でもオルガン使ってたようで、今回初めてこれを使えることに。オルガンの調整が行なわれる中でフォーレをさらいましたが、なんとなくかえって調子壊した気も。

Vaison_20120727_02.jpg18時くらいから洪水モニュメント公園でマルセイユ駐在の領事さんに表敬、なんていう企画が入ったもので、小アンサンブル以外のメンバはこれに赴きました。ご飯前ですが、食べ物も少々出ました。

19:00くらいにはお開きで、少人数アンサンブルの皆さんをピックアップして宿舎へ。夕食です。サーモンだかトラウトだかのプロヴァンス風かな。これは旨かった。というか、本番2時間前にこんなに食べて良いのだろうかというくらい食べました。ま、良いんでしょう(笑)。

そして食後の休憩をとる間もなく、再び会場へと向かいます。既に3回の本番を経ていますが、なかなかその経験を活かしにくいといいますか、響きや、舞台の形、あるいは照明等々といった条件が全く異なる中でのリハ不足な演奏というのはやはりキツイな、と思いました。毎回おおざっぱでも良いので通し稽古ができたら良かったのにな、と思いました。

Vaison_20120727_03.jpg演奏自体にはやや不満が残りましたが、取りあえずの中締め、という感じになりました。これが最後の本番だった団員もおりますし、私自身も今後たぶん歌うことはないだろう曲もあるわけでして、それなりな時間苦楽をともにし、また各曲の練習には相当な時間をかけてきましたから、感慨深いものもあったのです。そんな気分をちょっと感じさせる写真を付しておきましょう。

終演後は、大聖堂の横にある遺跡のようなところで打ち上げ。遺跡としか思えない石の箱から食料や飲み物が出て参ります。あたりには遺物っぽいものがゴロゴロ転がっているし(笑)。

そんな、何とも変わったテイストの打ち上げでしたが、実は翌朝出発のコンサートのみ参加な方々とのお別れ会でもあったのでした。居残り組は、翌日から、指揮法マスタークラスに集中です。

と、云う事で。

5日目(7/26)です。ちなみに本人はすでに日本に帰ってきています。

Vaison_20120726_02.jpgそれは兎も角、と。この日は演奏会がありませんので、そこそこ暇、には全くなりませんでした。午前中は、やるのかやらないのか良く分からず、結局この日から始まる指揮法マスタークラスで、初見状態の合唱団をどう指導するか、を見るためのサンプルとして使われるということが判明したF.リストの"Ave Maria"を、一応歌えるようにしておこう、という練習をしました。まあ、初見だとちょっと厳しい曲ですね。後でさらに面倒なことが発覚しますが。

それも置くとしまして、午後の14-16時の2時間は指揮法マスタークラス第1回。何をするのかも良く分からないで来ていたわけですが、要するに6か国から集まった9人の受講生がおりまして、順々に我々に稽古を付ける、と。その稽古の仕方について、ハンガリーの合唱指導者P.エルダイ氏(Peter Erdei。ドイツ語読みで良いみたいです。)が色々質問したり、コメントしたりする、というような流れになります。ちなみに写真は全体練習やマスタークラスが行なわれていた部屋の様子です。

扱われる曲はリストを入れても7曲しかありませんので、2名ないし3名が脱落し、最終的に行なわれるコンサートで我々の指揮をすることができなくなる、というふるい分けがこれから4日間で行なわれていくことになります。厳しいですね。

この日の段階では2名が到着しておりませんでしたので、7人が各々8分の時間を貰いまして、好きな曲の指導を付けました。

実はこの段階で1名脱落し、2度と立たせて貰えない、という厳しさでした。その1名ですが、基本的に英語が話せない、という致命的な問題があったようです。

そうですね~。レッスンは基本英語。例えばフランス語から英語への同時通訳が付けられるような予算的余裕はありませんので、受講生は英語必須、ということになります。それを言えば、モデル合唱団である我々だってそうなんですけどね。

ちなみに、エルダイ先生の英語は非常に聞き取りやすく、そしてまたその中身も大変濃いものでした。見習わないといけませんね。

そんなことが分かって来て、この日のマスタークラスは終了。

ちょっと時間ができたので、町のスーパーへ買い物などへと赴きます。

Vaison_20120726_03.jpg戻って夕飯を食べ、その後は明日コンサートをすることになるヴェゾンの大聖堂で、エストニアの合唱団Collegium Musicaleのコンサートを拝聴。ルネサンスものから、J.S.バッハ、あるいはまたA.ペルトやV.トルミス(二人ともエストニア人)、O.メシアンといった現代曲まで、たっぷりな内容でした。

昨年ゴリツィアのコンクールでグランプリを受賞ということですが、本当に実力のある合唱団だと思います。ちょっとどころではなく感動しましたので、その場でアルヴォ.ペルトとペルト.ウースベルグという「Wペルト」のみによって構成された今年6月のライヴCDを購入しました。

と、云う事で。