2012年5月アーカイブ

もう2ヶ月を切りましたね。そんな、南フランスへの道:第5回です。

復帰後3回目の練習参加は5/27。東京での活動が前の週で一段落し、ようやく本腰が入れられるようになったわけです。そんなわけもあり、気合い充分、という感じで三重県入り。

この日は声楽家の方に来て頂き、「地上の平和」をみて頂きました。9月に歌うことになる『ドイツ・レクイエム』辺りの流れを汲む至難な曲ですが、やはり理詰めでやらないとダメだな、と思いました。譜読みのレヴェルを次の練習までに3段ぐらい上げておかないといけません。要するに、自分が何をやっているのか、やるべきなのかを把握すべし、というようなことです。大変ですけどね。

続いて鈴木輝昭「原体剣舞連」。パートバラバラで歌いました。輝昭作品は声部毎に調性が異なっていたりしますので、とても良い練習になります。なかなか他声部聞こえないんですよね。この曲は特に。全体的に音が大きめなんで。この曲も、シェーンベルク同様にもっと耳と頭使って歌わないとダメだな、と反省しきり。

次は、G.オルバーンの"Come Away"。音楽監督的にはあんまりうまくいっていないようでした。前の2曲で集中力が切れたところもあったのかな、と思います。今まで作ってきたことが実現されていない、というのが一番の問題だったようですが。

重苦しい雰囲気の中、最後に、6/17の三重県合唱祭で演奏する松下耕「さくら」とJ.ヴォイダ"Psalm117"を。そうですね~、後ろに行けば行くほど、悪くなっていったような気がしました。

最後の方で音楽監督もおっしゃってましたが、要するにその日の練習の終わりを次回の最初にしないといけない、今のような練習をやっても何も変わらない、ちゃんと積み上げていこうよ、ということです。まあ、確かにその通りですよね。

気合い十分で行ったんですが、結構へこまされて帰ってきました。

次回は1週休んで6/10の参加。様々な課題をクリアして臨みたいと思います。

と、云う事で。

私設サイトの書籍紹介欄に、三津田信三による「刀城言耶」もの第1中短編集『密室(ひめむろ)の如き籠るもの』文庫版を追加しています。オリジナルは2009年刊行、でした。

全4篇。500頁超えてます。なので、中長編集、くらいな規模の作品集です。どの作品も、極めて完成度が高いです。文字通り堪能しました。是非ともご一読の程。

ちなみに、このシリーズ、基本的には京極堂シリーズと同じ時代背景を持つミステリ群ではありますが、テイスト的には相当異なります。これもまた大変趣深く、また個人的には非常にお勧めなシリーズですので、未読の方は本書辺りからボチボチ渉猟し始めると良いかも知れません。

と、云う事で。

私設サイトの書籍紹介欄に、貴志祐介による防犯探偵・榎本シリーズ第3弾『鍵のかかった部屋』文庫版を追加しています。オリジナルは2011年刊行です。

ドラマ化されて知名度も上がりましたが、まあ兎に角面白いシリーズです。防犯探偵というか泥棒探偵ですからね。ステキすぎます。

ドラマがどんな感じなのか分かりませんが、取り敢えず原作はかなりゴリゴリの本格ミステリ。あまりミステリを読み慣れておらず、どんなものか知りたい方は短編集であるこれや『狐火の家』から超傑作『硝子のハンマー』に進まれると良いでしょう。

と、云う事で。

去る5/18-19の二日にわたりまして、新日本フィルの第494回定期演奏会に出演して参りました。以下、簡単に報告などを。

演目は、A.ドヴォルジャークの交響詩『金の紡ぎ車』と、G.マーラー『嘆きの歌』初稿版。19世紀のおとぎ話を元にして作られた曲のセットとなります。指揮はC.アルミンク。いつものことながら、何とも面白い選曲です。ドヴォルジャークには歌は入りませんので、私は後者のみに出演しました。

『嘆きの歌』はそこそこ知られている曲ではありますが、初稿版で演奏されるようになったのは最近のこと。日本だと1998年ですね。マーラーの10代終盤という、そのキャリアのごく初期に書かれた曲です。

基本的に因果応報劇、になるのでしょう。お姫様がいて、森に咲く美しい花を持って行けば結婚できるらしい。世界中に良くあるパターンですね。ある兄弟がこの花を探して森をさまよいます。やがて、やさしい性格の弟が先に見つけますが疲れてしまったのかその場で寝てしまい、荒っぽい性格の兄は弟を殺して花を得、やがて姫と結ばれることになります。ところが、弟の骨を拾ってこれを笛にした楽士というのがおりまして、これが折しも城で開かれている婚礼の席に乱入します。王になろうとしている兄は楽士から笛を取り上げ、これを吹き始めると、そこからは兄に殺された弟の告発の声が響き渡り、城は崩壊するのでした。いやー、怖いですね。

後の『角笛』その他の楽曲群に現われるようなモティーフが随所にちりばめられていて、非常に面白いと思いました。劇的な構成は幾つかの交響曲などにもみられますが、これなどは端的な例。ホントはオペラが書きたかったんだろうけれど、結局1曲も書けなかったというのは非常に残念なところですが、この曲はそんな意味で非常に特異かつ貴重な位置を占めていると思います。

合唱は古代のギリシャ劇におけるコロスのような役割ですので、現われては消える、という感じです。曲の流れを上手くつかんでその場に相応しい歌い方で歌う、ということをこなすのが非常に大変だったのですが、個人的には曲の持つ劇的な構成をうまく出すべく、楽譜は基本的に見ないで良いようにして演奏会に臨みました。全体的にはもっと一体感を出したかったところもあるのですが、客席ではどう聞こえていたのでしょうか。

これが終わるとオケものは9月までありません。『ドイツ・レクイエム』ですね。指揮は今回と同じアルミンク。何とも凄い流れ、だと思います。

と、云う事で。

私設サイトの音楽CD紹介欄に、英国のテクノ・ユニットOrbitalによる8年ぶりの復活第1作Wonkyを追加しています。

洗練されたサウンド・スタイルはそのまま。懐かしさとともに、2010年代も俺たちの時代に、というような気概も端々に感じられる、気宇壮大なアルバムになっていると思います。オールド・ファンも、そうじゃない人も是非聴いてみて下さい。

と、云う事で。

本日、史上最高と言っても過言はない気がするバリトン歌手ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ氏が逝去されたそうです。享年86歳。

卓越した技術、そして比類なき声を持った不世出の歌手であったと思います。謹んでご冥福をお祈り致します。

と、云う事で。

かれこれ4回目になりますね。以下、5/5の合宿第3日目と、5/6に出演を果たしたESTでの久々のステージについて、簡単にまとめておきます。

さてさて、合宿第3日目も全体としては日本語曲が中心。まずは前日もやりました鈴木輝昭の「原体剣舞連」の続き。考えてみると、前回(4/8)の練習、今回の合宿で練習には2回目の参加。なので、初めて歌う曲がやたらと多いわけです。これなどもその一つ。前回やりませんでしたし。一応家でさらっては来ましたけど大変なんてモンではありません。夕方のベースパート練習で復習しましたが、しっかりやらないといけない曲NO.1の座はゆるがない、という感じでした。善処します。

続いては「私たちは一人ではない」を再び。そして「地上の平和」へと進みます。

難曲でもありますし、この時点で30名ほどになっていた気がするので、ふんばりどころ、でした。二日前の本山レッスンの効果がそこここに感じられはしますが、ところどころちょっと散漫な印象も。究極的に緻密に作りたい曲ですね。人数が少ない分、良い意味で軽さのある、スッキリしたものに仕上がるんじゃないかと踏んではいますが課題は多いと思いました。

その後は松下耕3曲の復習などがありまして、ベースパート練へと。他のパートも別部屋でやってたわけですけど、私ベースですからね。「原体剣舞連」と「地上の平和」を向井先生自ら指導。一つ一つの音をきっちりと純正律で決めていく練習をしました。改めてバリトンというパートは第3音が多くてホントに大変だと実感。ある意味調性を決めちゃうパートですよね。恐ろしや。まあ、百里の道も何とかでして、コツコツやるしかありません。とても大事な練習だったのではないかと思いました。

そんな感じで進みまして、そうですねー、なんだかんだ言って疲労がピークの3日目だったわけですけれど、終わった時間は結構遅かったですね。最後に1曲、ということで「地上の平和」を残っていた20数人で歌いました。全パートいたのか(笑)?

ああ、そうそう。ここまで何となく人数についても言及してきましたが、この合宿、体調不良でキャンセルになった方などなどがとても多く、非常に厳しい、そして寂しいものだったのです。練習機会というのは、本当にその時しかないと思わないといけないもの。仕事や家庭の事情で休まざるを得ないのは仕方ないとしても、体調不良というのはどうなんでしょう。体調管理というのは歌い手にとって最大限注意を払われるべきものだと常々思っています。その点はアスリートや受験生なんかと同じなんです。

kyoto_chapell_20120506_01.jpgさてさて、そんな話はおいときまして、翌5/6には元団員の結婚式が京都市内である、ということで、私自身は津市内で一泊し、翌朝から京都に移動。夕刻から行なわれた披露宴にて、ESTの有志25人くらいで2曲歌って参りました。曲は相澤直人「ぜんぶ」と木下牧子「夢見たものは」、でした。末永くお幸せに。ごくごく個人的には、最近聴く機会の多い前者を、いつでもどこでも歌えるように暗譜できたのは収穫だったかも知れない、と思ってます。

と、云う事で。

私設サイトの書籍紹介欄に、米澤穂信による長編ミステリ作品『追想五断章』文庫版を追加しています。オリジナルは『すばる』に連載、その後2009年に単行本が出て好評を博したものです。

デビュウ作『氷菓』の本歌取りともいうべき作品で、「遺されたテクストの謎」というのが基本モティーフとなっている本格ミステリ作品です。文章やプロット構成の洗練ぶりが光る佳品となっています。是非ご一読の程。

と、云う事で。

suzuka_youth_20120504_01.jpg5/4-6が当初の予定だったのですが、とある事情で3-5に変更。おかげでTokyo Cantatとのやりくりが難しくなってしまいましたが、3日はカロス単独ステージに出て、その日のうちに東海圏に向かうことにしました。名古屋で一泊、と。

なので、私は二日目からの参加です。午前中は京都在住の合唱指揮者・本山秀毅氏によるレッスン。前日の『地上の平和』レッスンがそれはそれは素晴らしいものであったらしく、ちょっと勿体なかったのですが、外国語曲を中心とするこの日のレッスンも非常にためになりました。

外国語曲を中心、といっても、着いてからのしょっぱなは松下耕の『日本の民謡 第7集』から「湯かむり唄」。朝からテンション上げまくりだったわけですが、以後、ハンガリー(生まれはルーマニアのセーケイ人ですが。)のG.オルバーン"Come away"、J.ヴォイダ"Psalm117"、リトアニアのV.ミシュキニス"Sicut lilium inter spinas"及び"Ecce tu pulchra es"、ノルウェイのT.クヴェルノ"Ave Maris Stella"などの楽曲を。

ちなみにオルバーンですが、歌詞はなんと英語です。W.シェイクスピアですね。結構謎な曲(笑)。また、この辺の外国語曲群、基本的にコーラスマスタークラス用とお考え下さい。講師はハンガリーのP.エルデイ氏とのことです。

本山先生が午前中いっぱいでお帰りになり(短い時間の割には色々やりましたね~。)、午後から夜の練習は日本語の曲がメイン。作曲家自身が練習に来られていた関係で山下祐加さんの「私たちはひとりではない」、松下耕の上と同じ曲集から「田植え唄」、同じく松下耕の「さくら」、そして今回一番大変だと思っている鈴木輝昭『原体剣舞連』より「原体剣舞連」、といったラインナップでした。

向井先生による練習だけではなく、団内指揮者ですとか、指揮者を目指すようなメンバによる練習などもありまして、盛りだくさんな内容でした。

個人的には、さすがにまだ楽譜から目が離せませんので、ストレス溜まりましたね。まあ、コツコツやっていくしかありません。

第三日、に続きます。

私設サイトの映画DVD紹介欄に、ジョセフ・コシンスキー監督によるあの『トロン』続編、『トロン:レガシー』を追加しています。

ほぼ、ジェフ・ブリッジズ主演と言って良いでしょう。前作から20年ほどを経ているという設定ですが、進化したCG技術をふんだん生かしつつ、さりとてドラマとしての造形も決して手を抜かずきちんとやってのけた、というような印象ですね。伝説的な作品の続編として、実に手堅い、と思いました。

と、云う事で。

5月2日はお休みでしたが、夜にリハーサルが入りました。場所は翌日歌うことになるすみだトリフォニーホール。

GW中とは言え平日には違いないですし、他の練習に行っている人もおりますので、若干欠けがある中でのリハーサルでした。

今回コーロ・カロスが演奏するのは入野賞という賞も設けられているほど著名な作曲家・入野義朗による『東北民謡による三つの混声合唱』という曲(指揮:栗山文昭)。「津軽山唄」(青森県)、「子守唄」(岩手県)、「鹿の子踊」(宮城県) という3曲からなります。打楽器奏者が2名要りますので、滅多に演奏されません。30年振り、という話も。

50年以上前に作られた曲ですが(1960年)、音の作りは端的に現代曲です。物凄く洗練されてます。1960年頃、というのは面白い時期ですね。本当に色々なことが試みられていたのだな、ということをこの曲に取り組むことで実感できました。

翌5月3日はいよいよ本番。第1部である『シリーズⅠ「日本のコ・ト・バをうたう」古今・新古今・梁塵秘抄 ~貴族文化の盛衰~』が13時からでしたのでお昼もしっかり食べる暇も無く会場へと。全部聴きましたが、後半の新実徳英『風の雅歌』、西村朗『式子内親王の七つの歌』、佐藤聰明『秋の曲』でお腹一杯といいますか、もう今日はこの後音楽イイですみたいな感じに(笑)。物凄いコンサートでした。

やよい軒でご飯食べて気を取り直して、『シリーズⅡ「日本の音素材による合唱」東北~ぬくもりの うた』序盤をチラッと聴いて、何となく安心して(笑)、直前発声に。兎に角集中力を保つこと、良く聴き合うこと、ピッチを極限まで正確に歌うことなどに注意を払いつつカロスとしては久々となる単独ステージ終了。いかがでしたでしょうか。

ついでに書いておきますと、今回の打楽器奏者は和田光世さんと加藤恭子さんでした。和田さんはご存じのように東京シンフォニエッタのメンバ。大変な方と共演させて頂きました。ちょっとどころではなく感動しました。

次のJuriも聴きたかったのですが着替えないと、でしたのであきらめ。で、最後の寺嶋陸也『日本民謡によるタブロー 第2集 四つの福島民謡』を聴いて私にとってのTOKYO CANTAT 2012は終了したのでした。

と、云う事で。

毎年恒例のTOKYO CANTATですが、今年は多忙&体調イマイチなため最小限のコミットにとどめました。以下、ざっと私が参加したところを書いていきます。

まずは4/29の「若い指揮者のための合唱指揮コンクール」。隔年ですが、今年ははや3回目ですね。朝昼は家事だのなんだのがありますので、ファイナルからの観覧。まあ、それでもお腹一杯。6人のファイナリストが、各々に与えられた課題曲を、色んなやり方で仕上げていく様が非常に面白かったです。

どれだけスコアを読み込んでいるか、スコアが表現しようとしている音楽をいかように自分の頭の中で再構成しているか、そして20分間という限られた時間の中でそれをどうやってモデル合唱団に伝えるか、といった辺りが勝負だと思うのですが、全体として、非常にレヴェルの高いものに見えました。あくまでも素人の意見ですけれど。

取り敢えず、出場者の皆様、お疲れ様でした。そして、1位のお二方、本当におめでとうございます。更なる高みへと向かって下さい。

30日はharmonia ensembleのコンサート(別の欄に書きます。)を聴いてから、E.オルトナーによるクロージングコンサート用の公開リハーサルへと。

これが本当にためになりましたね。いつもは歌ってばかりなわけですけれど、たまには練習風景を客観的に見るのも良いもの。曲が、少しずつ練れていくのがハッキリと見えました。クロージングコンサート自体は聴けないわけですが、このリハの延長線上にあるものを感じつつ、帰途につきました。

その2、に続きます。