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私設サイトの音楽CD紹介欄に、フランスのDJであるダヴィド・ゲタによる通算5作目のスペシャル版『ナッシング・バット・ザ・ビート2.0』を追加しています。

英語読みだとデイヴィッド・ゲッタとなります。歌詞が100%英語なので、こっちでも良いかも。こだわりは全くなさそうです。とんでもなく売れたアルバムの、気の利いたスペシャル版。大ヒット曲満載なので、是非ともヘヴィリーにローテートしてください。

と、云う事で。

昨日(10/14日)になりますが、東京オペラシティ・コンサート・ホール・タケミツメモリアルで行なわれておりました、同ホールの15周年記念公演、バッハ・コレギウム・ジャパン(BCJ)によるフェリックス・メンデルスゾーン作曲『パウルス』を聴いて参りました。以下、簡単にご報告を。

私自身が前日に本番がありまして、東京シンフォニエッタの定演(西村朗特集!!!)に行けず、また、BCJの公演と何故か同じ時間帯にぶつけられた新国立の『ピーター・グライムズ』も観られず(計5回公演ではあるのですが...。この日以外に一体いつ行けるというのだ。)、なんていう結構厳しい日々だったわけですが、まあ、前々から期待に期待していた『パウルス』が色々な事情により図らずも鑑賞できて、誠に幸いでした。結構複雑なんですけど。

この、むしろ『聖パウロ』という名で知られているんじゃないかと思う作品、メンデルスゾーンが27歳の時に完成させた宗教オラトリオ、となります。メンデルスゾーンはその短い生涯の中でオラトリオはこれと『エリア』のみを完成させただけにとどまったわけですけれど、この曲、間違いなく『エリア』に比べ知名度はかなり低いと思います。

しかし、そこはBCJ。J.S.バッハとその周辺の音楽をとことんまで追究してきたBCJが、今回はJ.S.バッハとの関係が極めて深いメンデルスゾーンの、まさにバッハへのオマージュともいうべき作品を、敢えて初演当時に近い楽器群を使い、編成をいつもよりも拡大して提供することで新たな光を当てよう、という企画。まさに垂涎ものですね。ちょっと汚いですが。

作品は、第1部ではキリスト教徒に迫害を加える側にいた異教徒たるサウロ(後のパウロ)が、イエスの声を聴いて改心し洗礼を受けるところまでを、第2部ではパウロと名を変えて布教に赴いたものの各地で迫害を受け、それでもあきらめずに福音を伝えることを決意し旅立つまでを描きます。

室内楽的な一体感と、大編成的なダイナミックスの双方を随所に感じさせる演奏で、さすがに並の鍛えられ方ではないな,と思いました。なんだかんだ言ってかなり長い曲ですが一本の線で見事に繋がっておりまして、そのある意味マニアックであると同時に、これぞスタンダード?、と思わせるような音楽作りにはまさに脱帽という感じでした。堪能しました。

まあ、細かいところを言い出すと実のところキリはありません。あんまり詳しく書きませんが。しかし、そんなことが些細なことに感じられるような、名演だったと思います。

と、云う事で。

私設サイトのDVD紹介欄に、リュック・ベッソンによる「アーサーとミニモイ」シリーズ第3弾にして完結編、フランスのセザール賞アニメーション映画賞に輝く作品である。

そうではあるのだが、日本未公開。これだけのクオリティのものが何故、という感じなのだが、この世界の厳しさを感じさせてくれるエピソードではある。

取り敢えず、イギー・ポップの歌うエンディング・テーマが誠に素晴らしい。ちなみにこれってYou Tubeとかにある?

と、云う事で。

去る9/16(日)の夜、横浜の神奈川県民小ホールにて、一柳慧による世界初演となる新作オペラ、『ハーメルンの笛吹き男』を観て参りました。以下、簡単に報告などを。

朝からこんにゃく座を観て、移動しての鑑賞です。風邪の症状がどんどん悪くなっていくタイミングで、凄くつらかったんですが何とか耐えました。

このオペラ、基本的に神奈川国際芸術フェスティヴァルの一環、ということになります。今年で第19回目。神奈川芸術文化財団の芸術総監督が一柳慧であることから、こういう企画になったわけですね。

キャストは、笛吹き男:岡本知髙、市長:三戸大久、司祭:土屋広次郎という3人をメインに、基本的に歌い手は二期会。これに子供達が加わります。楽隊は特別編成のオケ16人。指揮は藤岡幸夫、となります。詳細は下記をご覧下さい。なお、リンク切れご容赦の程。

一柳慧『ハーメルンの笛吹き男』

物語自体はグリム童話などにも含まれている民間伝承ですが、以下、かいつまんで。要は、

時は13世紀末、ネズミの被害に四苦八苦するハーメルンの町にある日笛吹き男が現われ、その駆除のかわりに報酬を頂きたいともちかける。ハーメルンの人々は報酬を約束し、笛吹き男はネズミを笛でおびき寄せ、駆除に成功。しかし、あろうことかハーメルンの人々は報酬を出し渋る。

怒った笛吹き男は一旦町を去るが、再びハーメルンの町にやってくる。しかしながら、今度は人々が教会にいる間に、笛を吹き鳴らしながら子供達を連れ去ってしまう。消えた子供達の行方は、結局誰にも分からないのだった。

という言い伝えです。

この作品はこの伝承を元に、田尾下哲と長尾晃一が台本を作成。全体の流れは同じですが、市長、司祭という端的に権力側の大人を配することや、笛吹き男のキャラクタをオリジナルからかなり距離のあるヒューマニティ溢れるものにすること、あるいはそうしたことから必然的なものとなる結末部の大幅な変更などが行なわれています。

全体として、音楽がとても良かったです。特に小編成オケと岡本、三戸、土屋は本当に素晴らしかったですね。大人も子供も愉しめる作品、というコンセプトだと思うのですが、そこは一柳。一筋縄ではいかない曲であるはずなところを、実に上手く咀嚼・表現しておりました。さすがですね。

ただ、朝のこんにゃく座が余りにも完成された舞台だったせいもあると思うのですが、各演者の台詞と動き、合唱部分、照明等々にはやや未整理なところを感じずにはおれませんでした。狭い舞台に終始かなりな人数が乗っていましたが、そのせいもあったでしょうか。音楽や、作品を貫くメッセージが素晴らしいだけに、ちょっと勿体ない気がしました。

公演は計3回のラスト。今後再演される時は、きっと色々なところが手直しされるんじゃないかな、と思いました。そんな、生まれたばかりの、これから先きっと育っていくはずのオペラ作品に生で、いち早く触れられたのがこの日の収穫でした。

と、云う事で。

去る9/16(日)、六本木の俳優座にて、オペラシアターこんにゃく座による林光追悼公演『森は生きている』新演出版を観て参りました。『ドイツ・レクイエム』明け+風邪かなり悪化、という状態でしたが、前売りを買っていた11時の回を観ました。以下、簡単に報告などを。

9/6から始まっていて、17日までですので、ほぼ終盤です。勿論、最初から全力、なのは分かっておりますが、やはりこういうものは回を重ねる毎に良くなっていくものですよね。本当に隙がないといいますか、非常に洗練された舞台でした。

著名な作品なので知らない人も少ないと思うのですが、簡単に書いておきますと、原作はサムイル・マルシャーク。ソビエト連邦時代の1943年に出版されたもののようです。日本では湯浅芳子による訳が岩波から1953年に出てます。

これを翌1954年には俳優座が初演。1959年からは劇団仲間が上演を引き継いで今日に至ります。オペラ仕様は台本・作曲とも林光が担当して1992年に完成。以来20年間にわたり、こんにゃく座によって演じ続けられている、ということになります。

あらすじはこんな感じです。大晦日の夜、とある国の女王が4月にならないと咲かないマツユキ草を摘んできたものに莫大な褒美を出す、という常軌を逸したお触れを出します。継母の言いつけでマツユキ草を探しにでた娘は、降りしきる雪の中、たき火を囲んで暖まる12ヶ月の精霊に出会い、マツユキ草を手に入れます。継母からマツユキ草を受け取った女王は、家来達を連れてマツユキ草探しに出発。しかし、厳しい寒さと雪のため遭難しかかることになってしまうのでしたが、さて、というお話です。

人間と自然との関係について考えさせてくれる名作であると同時に、端的に権力批判というテーマを内包するこの作品ですが、やはり何と言っても楽曲が素晴らしいですね。最高傑作のひとつではないかと思います。近いうちにスコアを手に入れたいと思いました。

実はこの後横浜に出向いて一柳慧による新作オペラを観ることになるのですが、演者のスタンスにかなり大きな違いがありまして、こちらは兎に角話が良く分かるように、しゃべり、動き、歌う、ということが徹底されていました。20年の時を費やして練り込まれたということになるのでしょう、実に実に、完成度の高い舞台でした。

と、云う事で。

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